• 本

天才青山二郎の眼力

とんぼの本

出版社名 新潮社
出版年月 2006年8月
ISBNコード 978-4-10-602146-6
4-10-602146-3
税込価格 1,540円
頁数・縦 126P 21cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 小林秀雄に天才と言わしめ、白洲正子が師と仰いだ男 青山二郎。骨董、絵画、装丁などの世界で超一流の仕事を残すが生涯定職を持たず、独自の眼力を持って美の世界を追求したその生涯は奇跡的です。小林秀雄、河上徹太郎、永井達男、中原中也、大岡昇平らが夜ごと集い酒を酌み交わしながら議論を重ねたという通称「青山学院」の話や、多彩な交流から生まれる伝説的なエピソードの数々は、白洲正子の「いまなぜ青山二郎なのか」や宇野千代の「青山二郎の話」などに描かれています。別冊太陽の「青山二郎の眼」が長らく品切れになっている現在、ビジュアルなかたちで青山二郎を知るには格好の入門書の登場といえます。

    (2014年3月29日)

商品内容

要旨

小林秀雄に「天才」と言わしめ、白洲正子が人生の師と仰いだ、ジィちゃんこと青山二郎。稀代の眼利きと評され、骨董を弄り、絵を描き、本を装幀したけれど、すべては「余技」。やかましい文士たちを議論で負かし、「自分は日本の文化を生きているのだ」が口癖だった。青山二郎とはいったい何者なのか?百万の中から一を掘り出す恐るべき鑑識眼とは?やきもの、絵画、装幀…、ジィちゃんがその眼力で発見した美の世界へ、ようこそ。

目次

1 青山二郎とは何者か?
2 骨董誕生(「先づ支那に入門するべし」―中国古陶磁
「朝鮮物第一流のものは焼物、百万中に一つなり」―李朝・朝鮮工芸
「一個の茶碗は茶人その人である」―茶碗
「人が視たら蛙に化れ」―日本の骨董
このぐい呑みはすなわち私だ―酒器)
3 装幀デザインの美(余技の真骨頂青山二郎の装幀
美しい原画から生まれた美しい本
本歌取りのテクニック
友人、小林秀雄のために
雑誌デザインへの愛着
遊び心の王様)
4 二郎流暮らしの楽しみ(モダン建築、ビラ・ビアンカに住む
海辺の塔の家、川奈の別荘へ
ジィちゃん、写真に凝る
「百日突ツつく」風景画
「清君」が語る青山二郎)

出版社
商品紹介

小林秀雄に天才と言わしめ、白洲正子が「眼」の師と仰いだ男。生涯を骨董に遊んだ稀代の鑑識眼が発見した美の世界へようこそ。

おすすめコメント

小林秀雄に「天才」と言わしめ、白洲正子が人生の師と仰いだ男。 日がないちにち骨董を弄り、やかましい文士たちを議論で負かす。自分は日本の文化を生きているのだと豪語する。「韋駄天お正」こと白洲正子が慕った天才は、「余技」に生きた王様だった。百万の中から一を掘り出す恐るべき鑑識眼とは? やきもの、絵画、装幀……、“ジィちゃん”がその眼力で発見した美の世界へようこそ。

出版社・メーカーコメント

「青山学院」といっても、大学のことではありません。大正から昭和初期、青山二郎を囲んで集まった、文士たちのサークルみたいなもの。そこには小林秀雄を筆頭に、中原中也、大岡昇平、河上徹太郎、永井龍男、宇野千代、そして白洲正子もその最後の生徒として名を連ねていました。酒を呑んでは議論に明け暮れ、文学を、美を論じた仲間たち。校長・青山の容赦ない論駁に、あの小林秀雄でさえ時には悔しくて涙ぐみ、白洲正子は胃潰瘍になったといいます。では、青山二郎とは一体何者だったのか?古美術や骨董の鑑定家であり、文章も書けば絵も描く。四百点以上の本の装幀も手がけたという。だけど、生涯定職?につかず、趣味に明け暮れた高等遊民……この秋(2006年現在)から始まる大規模な展覧会(2006年9月1日〜12月17日 滋賀MIHO MUSEUM/以降、愛媛、新潟、世田谷に巡回)を機に、そんな破天荒な男の正体に真正面から迫ってみました。

著者紹介

白洲 信哉 (シラス シンヤ)  
1965年、東京生まれ。大学卒業の年に英国に留学し、帰国後は元内閣総理大臣細川護煕氏の公設秘書を務める。現在は日本文化をあらゆる角度からプロデュースし、その保存と継承に力を注ぐ。父方の祖父母は白洲次郎・正子、母方の祖父は小林秀雄(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)