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天地明察

出版社名 角川書店
出版年月 2009年11月
ISBNコード 978-4-04-874013-5
4-04-874013-X
税込価格 1,980円
頁数・縦 475P 20cm
内容紹介
江戸、四代将軍家綱の御代。戦国期の流血と混迷が未だ大きな傷として記憶されているこの時代に、ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの計画は、そのまま文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれながら安穏の日々に倦み、和算に生き甲斐を見いだすこの青年に時の老中・酒井雅楽頭が目をつけた。「お主、退屈でない勝負が望みか?」日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描いた新境地。時代小説家・冲方 丁誕生の凱歌がここに上がる!
初出:「野性時代」 2009年1月号〜7月号
日本初の国産暦の生みの親 渋川春海
寛永16年(1639年)江戸幕府碁所・安井算哲の子として京都で生まれる。承応元年(1652年)、父の死によって二世安井算哲を継ぐ。囲碁の研鑽の一方で天文・数学・暦学などを学び、21歳の時に各地の緯度を計測して、当時用いられていた誤差のある宣明暦からの改暦を申し出る。申し出ること三回、ようやく朝廷に採用され、春海がつくった新しい暦は、貞享暦として後の太陰暦の基本となる。その功により貞享元年(1684年)碁所をやめ初代幕府天文方に任じられる。正徳5年(1715年)77歳で没。
「天地を明察する男」 渋川春海。 いろいろな人に見込まれ、また叱られがち。
保科正之 二代将軍秀忠の実子にして、将軍家綱の後見人。文化による日本統一を目指して春海に改暦事業を命ずる。
水戸光圀 天下の副将軍。激しい気性に凶暴とも言うべき行動力を持つ。なぜか春海を気に入り庇護者となる。
関孝和 「和算」の開祖ともいわれる日本数学史上の偉人。同年代ながら春海の熱烈な憧れの対象。
本因坊道策 碁の名門本因坊家・中興の祖である天才。春海を慕い、彼が囲碁に身を入れないことを日々怒っている。
えん 荒木家の息女。算術好きで、春海が関に挑む算法勝負の見届け人になる。潔癖で怒りっぽく、その矛先は春海に向かいがち。

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • ☆2010年本屋大賞受賞作です☆

    主人公、渋川春海が碁、測量、改暦など様々な出会いを通じてどんどん成長していく様は読んでいて痛快でした!!
    年を負うごとに春海の性格が少しずつ変わっていく様をうまく書き分けられており、「冲方丁恐るべし!!」と唸らずにはいられませんでした。遅まきながら、オススメです!

    (2012年2月8日)

  • 歴史好きにはたまらない!!

    日本で最初の暦を作成した渋川春海こと二代目安井算哲の話。時は家綱の時代、水戸光圀や雅楽頭酒井忠清。保科正之等時代小説好きにはたまらない人名がちらりほらりと登場する。いかにして大和暦が誕生したか、天と地を数字で明らかにする世界を堪能あれ☆

    (2010年2月15日)

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商品内容

文学賞情報

2011年 第4回 大学読書人大賞 休止(第8回まで)受賞
2010年 第7回 本屋大賞受賞
2010年 第31回 吉川英治文学新人賞受賞
2010年 第4回 舟橋聖一文学賞受賞

要旨

江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!早くも読書界沸騰!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン。

出版社
商品紹介

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。日本独自の太陰暦を作り上げる計画を、個の成長物語として重厚に描く傑作時代小説。

おすすめコメント

江戸、四代将軍家綱の御代。戦国期の流血と混迷が未だ大きな傷として記憶されているこの時代に、ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること。武家と公家、士と農、そして天と地を強靱な絆で結ぶこの計画は、そのまま文治国家として日本が変革を遂げる象徴でもあった。実行者として選ばれたのは渋川春海。碁打ちの名門に生まれながら安穏の日々に倦み、和算に生き甲斐を見いだすこの青年に時の老中・酒井雅楽頭が目をつけた。「お主、退屈でない勝負が望みか?」日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描いた新境地。時代小説家・冲方 丁誕生の凱歌がここに上がる!

出版社・メーカーコメント

天命こそ、最高の勝負。江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。即ち、日本独自の太陰暦を作り上げること−−日本文化を変えた大いなる計画を、個の成長物語としてみずみずしくも重厚に描く傑作時代小説!!

著者紹介

冲方 丁 (ウブカタ トウ)  
1996年、大学在学中に「黒い季節」で第1回スニーカー大賞を受賞しデビュー。以後、小説を刊行しつつ、ゲーム、コミック原作、アニメ制作と活動の場を広げ、複数メディアを横断するクリエイターとして独自の地位を確立する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)