• 本

山を走る女

講談社文芸文庫 つA6

出版社名 講談社
出版年月 2006年4月
ISBNコード 978-4-06-198438-7
4-06-198438-1
税込価格 1,650円
頁数・縦 403P 16cm

商品内容

要旨

二一歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。罵声を浴びせる両親に背を向け、子を保育園に預けて働きながら一人で育てる決心をする。そしてある男への心身ともに燃え上がる片恋―。保育園の育児日誌を随所に挿入する日常に即したリアリズムと、山を疾走する太古の女を幻視する奔放な詩的イメージが谺し合う中に、野性的で自由な女性像が呈示される著者の初期野心作。

出版社・メーカーコメント

未婚で子を産む女の原初的生命力を描く秀作21歳の多喜子は誰にも祝福されない子を産み、全身全霊で慈しむ。恋愛に基づく結婚からも聖なる母性像からも自由な80年代の新しい女性像を刻んだ先駆的作品。

著者紹介

津島 佑子 (ツシマ ユウコ)  
1947・3・30〜。小説家。東京生まれ。白百合女子大学英文科卒。在学中より「文芸首都」同人となり習作。二十代で短篇が相次いで芥川賞候補になる。以後、1976年、『葎の母』で田村俊子賞、77年、『草の臥所』で泉鏡花文学賞、78年、『寵児』で女流文学賞、83年、「黙市」で川端康成文学賞、87年、『夜の光に追われて』で読売文学賞、98年、『火の山―山猿記』で谷崎潤一郎賞、野間文芸賞、2002年、『笑いオオカミ』で大佛次郎賞等、文学賞を多数受賞。口承文芸や古典文学に関する仕事も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)