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生権力の歴史 脳死・尊厳死・人間の尊厳をめぐって

出版社名 青土社
出版年月 2012年11月
ISBNコード 978-4-7917-6678-9
4-7917-6678-4
税込価格 2,640円
頁数・縦 429,9P 20cm

商品内容

要旨

なぜ脳死が人の死とされるのか、なぜ尊厳死が推進されるのか。「人間の尊厳」の系譜を、ギリシア哲学やキリスト教神学からたどり直し、生権力の淵源に迫る画期的な著作。

目次

第1章 尊厳死法制化の歴史構造―その多面的検討(安楽死と尊厳死の諸相
尊厳死法制化の思想と制度的背景
自己決定権という罠、尊厳死推進真意
おわりに)
第2章 「人体革命」の時代―「人間の尊厳」概念と「自己決定権」への批判的視座(「人間の尊厳」概念の再構築へ
自己決定権の現実的・歴史的な問題
自己決定権の原理的な問題と「共鳴する死」
おわりに)
第3章 爛熟する生権力社会―「臓器移植法」改定の歴史的意味(「脳死=人の死(の基準)」の展開史
日本の医療・福祉の縮減化の沿革―尊厳死法制定へ
臓器移植法改定の思想―コント・スポンヴィルの諸説を通じて
臓器移植法改定と生権力
おわりに)
第4章 フーコーとアガンベンの終わりなく遠ざかる消失点―生権力論を錬磨する(フーコーの忘れ物
アガンベンの骨格―『ホモ・サケル‐主権権力と剥き出しの生』
「ホモ・サケル」プロジェクトと『開かれ―人間と動物』
アガンベンの世界変革の理路―「空虚」・「無為」・「潜勢力」
アガンベン生権力論の異彩と撞着
おわりに)
第5章 生権力の厳かな発動源―「人間の尊厳」概念の歴史的検討(「人間の尊厳」概念の系譜1―ピコとその後裔たち
「人間の尊厳」概念の系譜2―ハイデガーの蹉跌
「人間の尊厳」概念の爆裂―強制安楽死・ユダヤ人大量殺戮の思想構造
戦後世界への浸透―世界人権宣言・フレッチャー・生命倫理
おわりに)

出版社
商品紹介

「人間の尊厳」の系譜を辿り直し、私たちがとらわれている「人間の尊厳」概念こそが実は問題の根本にあることをあざやかに抉り出す。

著者紹介

小松 美彦 (コマツ ヨシヒコ)  
1955年東京生まれ。1989年、東京大学大学院理学系研究科・科学史科学基礎論博士課程単位取得。玉川大学文学部助教授などを経て、東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科教授。専攻は、科学史・科学論、生命倫理学。人間の生や死をめぐる問題を主に歴史的な視座から研究し、脳死や尊厳死の問題に対しては、はやい時期から積極的に取り組み、発言を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)