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悪筆論 −一枚の書は何を物語るか−書体と文体

出版社名 芸術新聞社
出版年月 2023年12月
ISBNコード 978-4-87586-683-1
4-87586-683-6
税込価格 3,300円
頁数・縦 453P 20cm

商品内容

要旨

川端、三好、久保田、三島、中上、太宰、岡本、松本、谷川、谷崎、中里達11名の近現代の文士達の筆跡の、尋常ならざる謎のような筆蝕(書きぶり)の諸相が、「悪」という一語に表記している。書は文学である―思いもかけない命題に肉迫する石川九楊、最新の書字(筆蝕)論。

目次

第1章 妖婉、鬱滞の世界―川端康成『雪国』
第2章 「〓(しんにょう)(〓)(ちゃく)」の世界―三好達治『測量船』
第3章 あっけらかんの小粒世界―久保田万太郎句集『草の丈』『流萬抄』『流萬抄以後』
第4章 虚構の現実化と現実の虚構化―三島由紀夫『憂国』
第5章 神話・子宮の森の物語―中上健次『枯木灘』
第6章 「啄」から広がる世界―太宰治『人間失格』
第7章 終ることなき蠕動運動―岡本かの子『生々流転』
第8章 妖にして怪―松本清張『ゼロの焦点』
第9章 世界・愛・人間―谷川雁『わが沙漠』
第10章 両性具有の―谷崎潤一郎『春琴抄』
第11章 死中の生、虚無の中の真実―中里介山『大菩薩峠』
附章 書は文学である

著者紹介

石川 九楊 (イシカワ キュウヨウ)  
1945年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。書家。京都精華大学名誉教授。著書に『書の終焉―近代書史論』(同朋舎出版、サントリー学芸賞受賞)、『近代書史』(名古屋大学出版会、大佛次郎賞受賞)『日本書史』(名古屋大学出版会、毎日出版文化賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)