書店レビュー
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男と女のドロドロとした人間模様。清張が描くとこうなるのか――
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- 山田書房 (岡山県岡山市北区)
なんとなく抱いていた松本清張のイメージは、
重くて、硬くて、とっつき難い。
しかし、初めて読んだ清張作品である本書は、短篇集という性質もあり、
想いのほかスンナリと読み進めることができた。
オビにあるとおり「愛を求めた女たちの運命――」を描いた本書には、
男の立場で見ると、ドキリとする話がいくつもある。
特に『記念に』などは、「男と女の関係を軽く見てはいけない」
と肝に銘じ直した作品だ。
収録作11篇のどれもが30ページほどの分量にもかかわらず、
人の心の奥底にあるドロドロとしたものをしっかりとすくって、
豪華ではないが過不足無く調理している。
作家の力量というものを普段は気にしないが、
収録されている短篇一つ一つが安定しているのは、
さすがに松本清張だからできるのだろうと感心させられる一冊だ。(2009年6月25日)
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おすすめコメント
松本清張生誕100年記念復刊第2弾。愛を追い求めた女たちの運命――。深い情念を描く短編11編!妻子ある男を好きになってしまった銀行勤めの伴子。男と結婚するのに必要となる三千万円を横領するが、たった一枚の百円玉が、その運命を反転させる「百円硬貨」。毎日弁当を作り、ボーナスで洋服を仕立てて、年下の男に尽くす滝子。男が若い女と結婚することが決まり潔く身を引くが、結婚前夜に男が訪ねて来て……「記念に」。愛を求めるあまり転落してゆく女たちを描く傑作短編十一編。