• 本

愛のひだりがわ

新潮文庫 つ−4−49

出版社名 新潮社
出版年月 2006年8月
ISBNコード 978-4-10-117149-4
4-10-117149-1
税込価格 649円
頁数・縦 339P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 筒井康隆「少年少女小説」の決定版が文庫化

    左腕の不自由な少女 愛 には、いつもだれかが左側にいてたすけてくれる。犬の話しがわかる愛が、ご隠居さんや同級生のサトルの励ましを受け、犬だけを連れて父をたずねてひとりを旅する。「毒の無い筒井なんて」とおっしゃるあなたも、是非ゆっくりと読んで欲しい。「時をかける少女」の雰囲気がよみがえり、映画化で話題の「わたしのグランパ」の流れにもつながる。最近の作家にはない読みやすい流れるような文章が心に響く。「少年少女小説」の決定版!!と言って過言でない。単行本は岩波だったので手に取った人は少ないだろう。名作の文庫化を心から喜ぶ。

    (2006年9月4日)

商品内容

要旨

幼いとき犬にかまれ、左腕が不自由な小学六年生の少女・月岡愛。母を亡くして居場所を失った彼女は、仲良しの大型犬デンを連れて行方不明の父を探す旅に出た。暴力が支配する無法の世界で次々と事件に巻き込まれながら、不思議なご隠居さんや出会った仲間に助けられて危機を乗り越えていく愛。近未来の日本を舞台に、勇気と希望を失わずに生きる少女の成長を描く傑作ジュヴナイル。

著者紹介

筒井 康隆 (ツツイ ヤスタカ)  
1934(昭和9)年、大阪市生れ。同志社大学卒。’60年、弟3人とSF同人誌『NULL』を創刊。この雑誌が江戸川乱歩に認められ「お助け」が『宝石』に転載される。’65年、処女作品集『東海道戦争』を刊行。’81年、『虚人たち』で泉鏡花文学賞、’87年、『夢の木坂分岐点』で谷崎潤一郎賞、’89(平成元)年、「ヨッパ谷への降下」で川端康成文学賞、’92年、『朝のガスパール』で日本SF大賞をそれぞれ受賞。’97年、パゾリーニ賞受賞。2000年、『わたしのグランパ』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)