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私の消滅

出版社名 文藝春秋
出版年月 2016年6月
ISBNコード 978-4-16-390471-9
4-16-390471-9
税込価格 1,404円
頁数・縦 166P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 書かれていないかもしれない小説というイメージ。

    いやおうなく暗くて大きな波に背中を押されるように読者は物語世界に入り続ける。

    物語は精神分析を骨格にして込み入った構造を持ち、読者は簡単にはその輪郭を得ることがむずかしいと思う。作者の意図したようには読めなかった読者であったかもしれない。しかし、そうでなくても作品全体を覆う印象は明らかで、一様に暗い。読んでいる最中その文章に全く陽があったってない感じ。いや、もしかしたら注意深く読めば読むほど登場人物達が誰なのか分からないように作者は仕掛けているのかもしれない。つまり謎解きなど要らないのかもしれない。切れ切れに組み込まれた事象から読者がそれぞれ物語を組み立て作品から得る何らかを感じればそれで本作品は価値を持つのかもしれない。それはともかく、後半に向かって歯を食いしばって読み、読み終えた後、深い溜息を漏らしてしまった。そして、ある読者にとってはこの暗い痛々しい物語が救いとなるかもしれないと思った。もちろん理解できなくてもいいし作品から離れている方がいい、のかもしれない。

    (2016年8月27日)

商品内容

文学賞情報

2016年 第26回 Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞

要旨

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。不気味な文章で始まる手記―これを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。

出版社・メーカーコメント

このページをめくれば、あなたはこれまでの人生の全てを失うかもしれない。一行目に不気味な文章が書かれた、ある人物の手記。それを読む男を待ち受けるのは、狂気か救済か。『掏摸 スリ』『教団X』を越える衝撃。中村文則が放つ、新たな最高傑作!

著者紹介

中村 文則 (ナカムラ フミノリ)  
1977年、愛知県生まれ。福島大学卒業。2002年『銃』で新潮新人賞を受賞しデビュー。04年『遮光』で野間文芸新人賞を受賞。05年『土の中の子供』で芥川賞を受賞。10年『掏摸スリ』で大江健三郎賞を受賞。『掏摸スリ』の英訳が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの2012年年間ベスト10小説、米アマゾンの月間ベスト10小説に選ばれる。14年、ノワール小説に貢献した作家に贈られる米文学賞デイビッド・グディス賞を日本人で初めて受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)