書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
親戚縁者からの厄介者扱いされ、本家の娘婿の手にかかって命落とす。弟の又蔵はひ弱で、あだ討ちするような柄ではない。しかし、いくら兄が厄介ものでも、兄の言い分があるはずと、あだ討ちを決意す。又蔵の火が灯た瞬間である。江戸の剣術道場で免許皆伝をうけ、一路帰郷して、あだ討ちの機会を待つ。あだ討ち相手の本家の婿は剣の使い手、その決闘シーンは血なまぐさい壮絶な描写であるが、読後感の後味の悪さはのこらない。不思議な感覚である。ほかの短編も皆人間味のあるものばかりであり、ぜひお奨めしたい一冊です。
(2010年1月8日)
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商品内容
要旨 |
一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄のため、理不尽ともいえる仇討ちを甥に挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「割れた月」など「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」と作者が語った初期の名品集。 |
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