• 本

犯罪不安社会 誰もが「不審者」?

光文社新書 281

出版社名 光文社
出版年月 2006年12月
ISBNコード 978-4-334-03381-1
4-334-03381-4
税込価格 814円
頁数・縦 249P 18cm

商品内容

要旨

猟奇的な少年事件や検挙率の低下などを根拠に、「安全神話の崩壊」が叫ばれ、厳罰化と監視強化が進む。しかし、統計をきちんと読み解くならば、あるいは軽微な犯罪者ばかりで老人や病人の多い刑務所を直視するならば、決して「治安悪化」とは言えないはずである。効果のある犯罪対策を実施するには、正しい現状分析なくして、正しい解決はありえない。そのため本書はまず「『安全神話の崩壊』論の崩壊」を宣告。治安悪化言説こそが「神話」なのである。

目次

1章 犯罪統計はどのように読むべきか(高まる「犯罪不安」
スローガンばかりが目立つ ほか)
2章 凶悪犯罪の語られ方(宮崎勤から始まった
狂乱の報道合戦 ほか)
3章 地域防犯活動の行き着く先(事後活動から予防活動へ
背景としての新自由主義 ほか)
4章 厳罰化がつくり出した刑務所の現実(不審者とはどんな人か
科学的根拠はあるか ほか)

おすすめコメント

日本はどうにかなってる?なってない? 「最近いやな事件が多いですね(中略)」「目の前の受刑者を見ていて、本当にそう思う?」(中略)「あっそうですね、そういえば、年寄りと病人や外国人ばかりで、おかしいですね」 治安の最前線にいる刑務官ですら、メディアの影響を強く受け、目の前で起きている事態との落差に気がつかないのである。それほどまでに治安悪化という「神話」が強固に刷り込まれていることに私は驚きを禁じえなかった。(中略)本書によって読者のみなさんには常識を疑ってもらいたい。 (「はじめに」より)

著者紹介

浜井 浩一 (ハマイ コウイチ)  
1960年愛知県生まれ。龍谷大学法科大学院教授。臨床心理士。早稲田大学教育学部卒業。法務省出身。矯正施設、保護観察所勤務のほか、法務総合研究所研究官、国連犯罪司法研究所研究員等を歴任。『犯罪白書』の執筆経験あり。専門は刑事政策、犯罪学、社会調査、統計学・犯罪心理学
芹沢 一也 (セリザワ カズヤ)  
1968年東京都生まれ。京都造形芸術大学非常勤講師。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程を修了。専攻は近代日本思想史・文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)