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村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する

平凡社新書 321

出版社名 平凡社
出版年月 2006年5月
ISBNコード 978-4-582-85321-6
4-582-85321-8
税込価格 858円
頁数・縦 277P 18cm

商品内容

要旨

日本、アメリカ、中国等で大ヒットした『海辺のカフカ』。カフカ少年とナカタさんのパラレルな物語に“癒し”や“救い”を感じた人も少なくなかった。けれども、本当にそういった内容なのだろうか?丁寧なテクスト分析によって、隠された構造が浮かび上がる。暴力が前面に現れつつある「九・一一」後の世界に、記憶と言葉の大切さを訴える、渾身の村上春樹論。

目次

第1章 『海辺のカフカ』とオイディプス神話(オイディプス神話という主題
『オイディプス王』の物語 ほか)
第2章 甲村図書館と書物の迷宮(図書館という母性的空間
なぜ『千夜一夜物語』を最初に読むのか ほか)
第3章 カフカ少年はなぜ夏目漱石を読むのか―甲村図書館と書物の迷宮2(カフカ少年は『坑夫』と『虞美人草』を読む
「近代教養小説」という視点 ほか)
第4章 ナカタさんと戦争の記憶(ナカタさんの出自
記憶の欠落と識字能力の喪失 ほか)
第5章 『海辺のカフカ』と戦後日本社会(カーネル・サンダーズが語る「天皇の人間宣言」の虚偽
「生き霊」と『菊花の約』の意味するもの ほか)

おすすめコメント

「海辺のカフカ」は<処刑小説>である暴力が前面に現れつつある「九・一一」後の世界に、記憶と言葉の大切さを訴える、渾身の村上春樹論。

著者紹介

小森 陽一 (コモリ ヨウイチ)  
1953年東京都生まれ。北海道大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。東京大学大学院総合文化研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)