• 本

孤独のグルメ

扶桑社文庫

出版社名 扶桑社
出版年月 2000年2月
ISBNコード 978-4-594-02856-5
4-594-02856-X
税込価格 660円
頁数・縦 217P 16cm

e-hon夏の100冊 おすすめコメント

言わずと知れた一人飯グルメ漫画の傑作。この一冊のおかげで一人外メシが、モノローグに溢れた自己陶酔型エンターテイメントになりました。発売から20年以上過ぎても色あせない名作。テレビシリーズと合わせて読むと二度美味しいです。(2016年7月)

書店レビュー 総合おすすめ度: 全3件

  • 東京堂書店 神田神保町店より

    今更ながら往年の名作にレビューを書こうと思ったのは、
    「東京千代田区秋葉原のカツサンド」を読んだ為です。
    カツサンドが美味しそうだからとか井之頭五郎さんのエピソードが面白いから、
    というのを差し置いて、作中に描かれている街並み。
    これがもう堪らずぐっときました。
    そこにかつてあった秋葉原が生き生きと描かれています。

    今でこそ食べるお店に事欠きませんが、
    「この街には”食欲”というものが欠乏している」という
    五郎さんの表現は言い得て妙。
    電気街北口方面にあったバスケットコートの広場でカツサンドを食す五郎さん。
    1ページ1ページが懐かしく感じられました。

    (2015年6月10日)

  • ハードボイルドグルメ漫画

    感覚を人に伝えるのはとても難しい。だから、グルメ漫画というやつは「これこれこういう理由で、だから美味しいんだよ」という理屈で攻めるタイプと、オーバーなリアクションで美味しさを記号化しようとするリアクション芸の二種類に大体分類できる。そんなようなあまりにもマンネリな状況にいささかうんざりしていたところでこの漫画に出会った。一人称に固定された視点で描かれる、どこか社会の仕組みから浮いたような立ち位置の主人公が語る世界は、本来の意味でのハードボイルドを思い起こさせる。下らない理屈も過剰なリアクションもなく、ただ飯を食うだけ。それだけのことなのにこんなにも読める漫画になっているのはすごいのひと言。ネットでの扱いはどうにもネタ感が漂うけれど、普通に漫画としても素晴らしい出来です。まさに異端のグルメ漫画。

    (2007年9月19日)

  • 孤独のグルメ

    「モノを食べるときはね、誰にも邪魔されず自由でなんというか、救われてなきゃダメなんだ 。独りで静かで豊かで……」この“孤独のグルメ”という作品に一貫しているテーマが主人公井之頭五郎のこの発言である。彼がすることはモノを食べる。。過去のエピソードや情景が挟まれてくることもあるが、基本的には“食べる”ただそれだけだ。しかしそれだけなのに我々はきっとこの物語に引き込まれるだろう。一つ一つの話が短いため、一気に読み終わってもまた繰り返して読みたくなる。そんな麻薬や煙草のような中毒性がこの本には含まれているのだ。そしていつしか考える。同じような体験をしてみたい、と。長くなってしまったので最後に主人公の名言で終わりにしよう。「ソースの味って男の子だよなぁ」

    (2007年9月19日)

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商品内容

要旨

主人公・井之頭五郎は、食べる。それも、よくある街角の定食屋やラーメン屋で、ひたすら食べる。時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、彼はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。孤独のグルメ―。それは、誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為だ。そして、この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の「癒し」といえるのである。

目次

東京都台東区山谷のぶた肉いためライス
東京都武蔵野市吉祥寺の廻転寿司
東京都台東区浅草の豆かん
東京都北区赤羽の鰻丼
群馬県高崎市の焼きまんじゅう
東京発新幹線ひかり55号のシュウマイ
大阪府大阪市北区中津のたこ焼き
京浜工業地帯を経て川崎セメント通りの焼き肉
神奈川県藤沢市江ノ島の江ノ島丼
東京都杉並区西荻窪のおまかせ定食〔ほか〕