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女という病

新潮文庫 な−60−1

出版社名 新潮社
出版年月 2008年3月
ISBNコード 978-4-10-134171-2
4-10-134171-0
税込価格 473円
頁数・縦 251P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 殺人、詐欺、失踪など、女性がかかわった13事件のドキュメント作品である。当然ながら、これら事件の被害者と加害者はすでに死亡していたり、収監されていたりして、彼女らの生の声を聞くことはできない。うさぎさんが冒頭で語っているように、この作品は明らかになっている様々な事実を基に、うさぎさんが想像で彼女らの思いを分析してみせたものである。そこから感じ取れるのは、彼女らの強い自我である。これら事件の関係者がもつ強烈なまでの自意識が、犯罪という形で世に表れたと言うのはたやすい。しかし、読者のなかには、きっと嫌悪感だけでなく共感を覚える部分もあるだろう。なにかのきっかけで事件の主役を演じることがあるのだ。女性というテーマで、心の闇に迫った迫真の1冊。 (のり)

    (2008年5月18日)

商品内容

要旨

ツーショットダイヤルで命を落としたエリート医師の妻、我が子の局部を切断した母親、親友をバラバラにした内気な看護師…。殺した女、殺された女。際限ない欲望、ついに訪れた破滅。彼女たちは焼けるような焦りに憑かれて「本当の私」を追い求め、狂い、堕ちた。女性が主役を演じた13事件の闇に迫る圧倒的ドキュメント!女の自意識は、それ自体、病である。これは、あなたの物語。

目次

空っぽの椅子―同人誌“やおい”漫画家殺害事件
ファンシーな城の中の死―エリート医師妻誘拐殺人事件
人生の偽造パスポート―ラカン派精神科医婚約者殺し
殺意の蝉時雨―保育園長園児殺害事件
“有栖川宮妃”のファーストクラス―ニセ皇族の結婚披露宴詐欺事件
青木ヶ原樹海から出てきた女―事件を装って家出した市長の娘
虐待という因果―実子局部カミソリ切断事件
「容貌」という地獄―佐世保小六同級生殺人事件
親友をバラバラにした女―看護師三角関係殺人死体遺棄事件
通称「和歌山二大悪女」―和歌山マリオネット殺人事件
逃げ場所は心中―浮き草売春女テレクラ心中事件
霊能者は殺せと告げた―神奈川県連続主婦殺人事件
バービー・ナルシシズムが生んだ狂気―赤い自転車連続通り魔事件

おすすめコメント

彼女たちは、醜く哀しい、あなたの分身。殺人、詐欺、謎の失踪……。「女の事件」の闇に迫るドキュメント。ツーショットダイヤルで命を落としたエリート医師の妻、我が子の局部を切断した母親、親友をバラバラにした内気な看護師……。殺した女、殺された女。際限ない欲望、ついに訪れた破滅。彼女たちは焼けるような焦りに憑かれて「本当の私」を追い求め、狂い、堕ちた。女性が主役を演じた13事件の闇に迫る圧倒的ドキュメント! 女の自意識は、それ自体、病である。これは、あなたの物語。

著者紹介

中村 うさぎ (ナカムラ ウサギ)  
1958(昭和33)年福岡県生れ。同志社大学文学部英文科卒。OL、コピーライターを経て、ジュニア小説デビュー作『ゴクドーくん漫遊記』がベストセラーに。その後、壮絶な買い物依存症の日々を赤裸々に描いた週刊誌の連載コラム「ショッピングの女王」がブレイクする。エッセイ、小説、ルポルタージュに著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)