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「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか

新潮文庫 こ−45−1

出版社名 新潮社
出版年月 2008年10月
ISBNコード 978-4-10-136151-2
4-10-136151-7
税込価格 440円
頁数・縦 209P 16cm

商品内容

要旨

『坊っちゃん』のラスト、なぜ漱石は主人公を「街鉄の技手」という職業に就かせたのか。佐藤春夫の『田園の憂鬱』で、主人公を「憂鬱」にさせた「汽笛の音」の正体は。『〓(ぼく)東綺譚』執筆時の荷風は、当時の鉄道風景に何を見つけたのか―。明治から昭和初期の名作八篇中の謎と、廃線や路線変更によって生じた鉄道史の迷宮とがクロスする。ミステリの味わいを湛えたスリリングな鉄道エッセイ。

目次

「坊っちゃん」はなぜ市電の技術者になったか―夏目漱石『坊っちゃん』
電車は東京市の交通をどのように一変させたか―田山花袋「少女病」
荷風は市電がお嫌いか―永井荷風『日和下駄』
どうして玉ノ井駅が二つもあったのか―永井荷風『〓(ぼく)東綺譚』
田園を憂鬱にした汽車の音は何か―佐藤春夫『田園の憂鬱』
蜜柑はなぜ二等車の窓から投げられたか―芥川龍之介「蜜柑」
銀河鉄道は軽便鉄道であったのか―宮沢賢治「銀河鉄道の夜」
なぜ特急列車が国府津に停ったのか―山本有三『波』

著者紹介

小池 滋 (コイケ シゲル)  
1931(昭和6)年東京生れ。東京大学文学部卒、同大学大学院博士課程修了。東京都立大学、東京女子大学教授を歴任。専門はディケンズを中心とする19世紀英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)