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京都の山と川 「山紫水明」が伝える千年の都

中公新書 2711

出版社名 中央公論新社
出版年月 2022年8月
ISBNコード 978-4-12-102711-5
4-12-102711-6
税込価格 1,012円
頁数・縦 248P 18cm

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要旨

日本を代表する一大観光地である京都。平安京に遷都されて以来、およそ1000年にわたり都として歴史を紡いできた。京都は三方を山に囲まれた盆地であり、鴨川、桂川、宇治川といった河川が、やはり三方に流れる。山河が社寺と相まって美しい景観を作り出すとともに、時代ごとの人々の生活とも深く関わってきた。本書では、京都の三山(東山、北山、西山)、および河川や人工水路である琵琶湖疏水を、歴史、地質学、植生などさまざまな角度からのエピソードとともに紹介。災害に悩まされつつも、自然と共存しながら暮らしてきた人々の姿を浮き彫りにしている。比叡山山系では、脆い花崗岩を中心とする地質ゆえに、水害に弱く、たびたび土砂災害に見舞われていた。さらに都の燃料需要を賄うために、山中から薪や柴を刈り続けたために、山が痩せ、裸山に近い状態になっていたという。エネルギー源が化石燃料に変わってからは再び山の植生が変わり、防災や風致の理由による森林保護や植林が行われたことから、京都の山々は緑を取り戻している。著者の鈴木康久氏は京都産業大学現代社会学部教授。博士(農学)。肉戸裕行氏は京都府立植物園副園長を務める。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年10月11日]

商品内容

要旨

人口150万を数える京都。街を歩けば、どこからでも山が見え、川では子どもが遊んでいる。これほど人々と山河が近い大都市は珍しい。1200年前の遷都時に桓武天皇が「山が襟のように囲んでそびえ、川が帯のようにめぐって流れる自然の要害」であると述べたように、京都の山河は常に人々と共にあった。本書は東山・北山・西山の三山、鴨川・桂川・宇治川・琵琶湖疏水、さらに市中の川を紹介、知られざる歴史を明かす。

目次

第1章 東山―歴史と景観に彩られた山紫水明の地
第2章 北山―都を支えた農山村と自然
第3章 西山―信仰と竹林の道
第4章 鴨川―暮らしに応じて役割を変えてきた水辺
第5章 桂川―平安を語る「別業の地」と「水運」
第6章 宇治川―秀吉が造った新たな河道
第7章 琵琶湖疏水―社会の求めに応じて進化する水路
第8章 洛中の川―千年の間に生まれる川、失われる川
終章 山と川の価値を考える

出版社・メーカーコメント

人口150万を数える京都。街を歩けば、どの通りの向こうにも山が見え、川では子どもが遊んでいる。これほど人々と山河が近い大都市は珍しい。そもそも1200年前の遷都時に桓武天皇が「山が襟のように囲んでそびえ、川が帯のようにめぐって流れる自然の要害」であると詔して以来、山と川は都と共に歩んできた。本書は東山・北山・西山の三山、鴨川・桂川・宇治川・琵琶湖疏水、そして市中の川を紹介、その歴史と暮らしとの関わりをたどる。

著者紹介

鈴木 康久 (スズキ ミチヒサ)  
1960年京都府生まれ。1985年愛媛大学大学院農学研究科修士課程修了。京都府職員を経て、京都産業大学現代社会学部教授。博士(農学)
肉戸 裕行 (ニクト ヒロユキ)  
1965年京都府生まれ。1988年京都府立大学農学部林学科卒業。同年京都府に入庁。京都府森林保全課、京都府立植物園樹木係長、京都府立林業大学校教授などを経て、京都府立植物園副園長。樹木医(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)