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戦争犯罪と闘う 国際刑事裁判所は屈しない

文春新書 1496

出版社名 文藝春秋
出版年月 2025年6月
ISBNコード 978-4-16-661496-7
4-16-661496-7
税込価格 1,045円
頁数・縦 223P 18cm

商品内容

要旨

ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるガザへの非人道的な攻撃。二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)はいまアメリカの制裁など危機に直面している。「法の支配」を守ろうと国際紛争の最前線で闘う裁判所の奮闘をそのトップが語る。

目次

プロローグ プーチン氏から指名手配を受けた日
第一章 国際刑事裁判所が戦争犯罪に対峙する―二つの戦争の狭間で(裁判官に立候補したきっかけ
トップ当選するも、不安は拭えず ほか)
第二章 国際刑事裁判所とは(ICCとICJの違い
中核犯罪とは何か ほか)
第三章 私はこんなふうに歩いてきた(理科が好きだった少女時代
まだ封建的だった昭和の名古屋 ほか)
第四章 国際刑事裁判所と日本の未来(アジアの締約国を増やしたい
東京に事務所を設置する意義 ほか)
エピローグ 日本発の、法の支配を守る動きに期待して

出版社・メーカーコメント

ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナ・ガザへの非人道的な攻撃。目まぐるしく国際情勢が変化するなか、この二つの戦争に向き合い、プーチンとネタニヤフに逮捕状を出した国際刑事裁判所(ICC)。日本人として初めてそのトップに就任した著者は、ほどなくしてプーチンから逆指名手配を受けることにもなった。さらにはトランプ大統領の大統領令による経済制裁を受けるなど、世界規模の戦争犯罪に向き合ってきた国際刑事裁判所はいま、存続の危機に立たされている。第二次世界大戦後にホロコーストに向き合ったニュルンベルク裁判、日本の戦争責任を裁いた東京裁判。二つの軍事法廷裁判にルーツをもち、曲がりなりにも平和を希求する国際秩序の礎であり続けてきた国際刑事裁判所とはいかなる機関なのか。二つの戦争という異例の事態にどう向き合ったのか。「世界の警察」アメリカが過去のものになりつつある戦後国際秩序の行方とは−−。「世界で起きていることは、やがて日本でも起きること」。「力による支配」がむき出しになりつつある今こそ「法の支配」による安全保障が必要だ。「ウクライナ戦争の勃発で完全に覚醒した」と語る赤根さんが、その奮闘を通じて未来への責任を語りかける。

著者紹介

赤根 智子 (アカネ トモコ)  
東京大学法学部卒。1982年検事任官。横浜、津、名古屋、仙台、札幌他地検検事、東京高検検事、函館地検検事正などを経て国際連合アジア極東犯罪防止研修所所長、法務省法務総合研究所所長、最高検察庁検事など歴任。名古屋・中京大学法科大学院教授、外務省参与・国際司法協力担当大使なども務めた。2018年国際刑事裁判所(ICC)判事。2024年3月からICC所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)