• 本

異人たちの館

文春文庫 お−26−17

出版社名 文藝春秋
出版年月 2016年11月
ISBNコード 978-4-16-790732-7
4-16-790732-1
税込価格 1,296円
頁数・縦 614P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 《技巧を凝らした物語》という枠内では収まりきらない衝撃

    富士山北麓の樹海で発見された運転免許証の持ち主は、消息を絶っていた小松原淳のものだった。周囲からは神童と騒がれ、8歳で日本児童文学賞を受賞した小松原淳の人生を本にしたい、と淳の母親から依頼を受けた出版社は、新人賞を二つ取りながらも一冊も本を出せずにいる島崎潤一にゴーストライターの話を持ち掛ける。ゴーストライターとして小松原淳について調べ始めた島崎だったが・・・・・・。
    人形のように美しく謎めいた淳の《妹》、淳の人生の中にたびたび現れる《異人》、島崎に先んじて淳の周辺人物を取材する謎の中年女性・・・・・・。多数の作中作やインタビューが差し込まれる本書は、違和感に満ちている。そしてその違和感は強烈な不安を生み出し、読者はいつしかその不安に酔いしれ始めている。
    精巧な硝子細工にわざと罅を入れたような歪みが本書にはあり、小松原淳の人生、周辺人物の言葉、そして結末は読者の内に眠る昏い感情を呼び覚ます。技巧の限りを尽くしながら、《技巧を凝らした物語》という枠内では収まりきらない衝撃的な作品です。傑作!

    (2016年11月17日)

商品内容

要旨

8歳で児童文学賞を受賞し天才少年と呼ばれた小松原淳は、なぜ富士の樹海に消えたのか?母親の依頼で淳の伝記を書くことになった作家志望の島崎は、膨大な資料を読み、関係者に取材して淳の人生に迫るが、やがて不気味な“異人”の影が彼の周辺に出没するようになり…。著者畢生の傑作がここに復活!

おすすめコメント

樹海で失踪した息子の伝記の執筆を依頼された売れない作家・島崎の周辺で、次々に変事が。五つの文体で書き分けられた謎のモザイク!

著者紹介

折原 一 (オリハラ イチ)  
1951(昭和26)年生まれ。早稲田大学卒業後、編集者を経て88年に『五つの棺』(後に改作して『七つの棺』)でデビュー。95年には『沈黙の教室』で第48回日本推理作家協会賞(長編部門)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)