• 本

描かれた病 疾病および芸術としての医学挿画

出版社名 河出書房新社
出版年月 2016年11月
ISBNコード 978-4-309-25564-4
4-309-25564-7
税込価格 4,180円
頁数・縦 253P 25cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 写真が誕生する前の医学書に載せられていた病気の症状の絵が集められているのです。
    この本自体は「医学書」ではなく「アート」の分類ですね。
    病に冒された皮膚や骨、粘膜などなど身体のいろんな部位、顕微鏡を覗いた細菌の描写などが細密にスケッチされています。
    なんといいましょうか、グロテスクな気もするし、清潔感があるような気もする。
    不思議と見入ってしまいます。
    絵が描かれた時代がとても古いので、
    天然痘や、結核、ハンセン病などが扱われています。
    性感染症なども、現代とは事情がだいぶ違いますよね。
    当時の主にヨーロッパ社会において、そういった病気の患者が世間からどのような扱いを受けていたのかを窺い知ることもできます。

    怖いもの見たさで手に取った本ですが、思った以上に深く楽しめますよ!

    (2016年10月24日)

商品内容

要旨

写真が誕生する以前、疾病を記録した細密イラストが雄弁に語りかける―人々はいかに病気と闘っていたか、患者が社会からどのように見られていたのか。ブリティッシュ・ブック・デザイン・アンド・プロダクション・アワード最優秀作品賞受賞。

目次

1 皮膚病―肉体の境界線
2 ハンセン病―皮相などとは言えない病
3 天然痘―議会制定法が作った水ぶくれ
4 結核―白い死
5 コレラ―病の自由貿易
6 がん―カニの爪
7 心臓疾患―冠と雑音
8 性感染症―死ぬまで続く水銀治療
9 寄生生物―寄生虫に植民地化された入植者
10 痛風―ファッショナブルな激痛

おすすめコメント

目を背けたくなる美しさ……写真誕生以前の細密イラストが雄弁に語る医療と社会をめぐるイメージの博物誌!

著者紹介

バーネット,リチャード (バーネット,リチャード)   Barnett,Richard
ケンブリッジ大学で科学史、医学史、および進化論史について教鞭を執る。2011年、ウェルカム財団エンゲージメント特別研究員の資格を初めて授与された者になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)