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ニッポンの書評

光文社新書 515

出版社名 光文社
出版年月 2011年4月
ISBNコード 978-4-334-03619-5
4-334-03619-8
税込価格 814円
頁数・縦 230P 18cm

商品内容

要旨

いい書評とダメな書評の違いは?書評の役割、成り立ちとは?一億総書評家時代の必読書。

目次

第1講 大八車(小説)を押すことが書評家の役目
第2講 粗筋紹介も立派な書評
第3講 書評の「読み物」としての面白さ
第4講 書評の文字数
第5講 日本と海外、書評の違い
第6講 「ネタばらし」はどこまで許されるのか
第7講 「ネタばらし」問題日本篇
第8講 書評の読み比べ―その人にしか書けない書評とは
第9講 「援用」は両刃の剣―『聖家族』評読み比べ
第10講 プロの書評と感想文の違い
Amazonのカスタマーレビュー
新聞書評を採点してみる
『IQ84』一・二巻の書評読み比べ
引き続き、『IQ84』の書評をめぐって
トヨザキ流書評の書き方
対談 ガラパゴス的ニッポンの書評―その来歴と行方

おすすめコメント

書評術を説く本には、「粗筋は丁寧に、しかし、簡潔に。たとえば一六〇〇字の書評を請け負ったら、ストーリー紹介は六〇〇字程度にとどめるのがよい」といった常識が説かれていますし、かつてのわたしもそう考えていました。でも、今は少し違った考えを持っています。粗筋紹介も評≠フうちだと思うようになったのです。というのも、本の内容を正確に深く理解している書き手による粗筋紹介と、トンチンカンな解釈しかできていない書き手の粗筋紹介は「これが同じ本について書いたものなのか」というほど違うからです。(略)つまり極端な話、粗筋と引用だけで成立していて、自分の読解をまったく書かない原稿があったとしても、その内容と方法と文章が見事でありさえすれば立派な書評だと今のわたしは考えているのです。 

著者紹介

豊崎 由美 (トヨザキ ユミ)  
1961年生まれ。ライター、ブックレビュアー。「GINZA」「本の雑誌」「TV Bros.」などで書評を多数連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)