• 本

コーヒー2050年問題

出版社名 東京書籍
出版年月 2025年7月
ISBNコード 978-4-487-81859-4
4-487-81859-1
税込価格 2,640円
頁数・縦 255P 21cm

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要旨

世界中で飲用され、一つの文化をも形成している嗜好品の代表格に「コーヒー」がある。コーヒー豆は、主に「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道付近の地域で生産されるが、近年の気候変動の影響は避けられず、2015年には「2050年までに世界中のコーヒーの適作地域が半減する」とする論文が発表されている。本書では、気候変動が激しさを増す中、コーヒーの生産現場で何が起きているのか、また危機に対してどのような対応策が取られつつあるのか、世界中の生産地の事例を国ごとに紹介しながらリポートしている。2015年発表の論文「一杯の苦いコーヒー」で示された「コーヒー2050年問題」については、その後も他の研究者が最新データをもとに検証を重ねたが結果は変わっていない。具体的な気候変動の影響としては「コーヒー栽培に適さない気温や降雨量になる」「大型化する熱帯低気圧の被害を受ける」「温暖化で発生する菌や害虫による植物感染症が広がる」などが危惧されている。著者は静岡文化芸術大学准教授。JTB関東、コスタリカ共和国環境エネルギー省(JICA海外協力隊)を経て横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程修了(学術博士)。2021年より現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年8月27日]

商品内容

要旨

世界のコーヒー事情最前線。毎日コーヒーを飲む人必読!気候変動の影響で、コーヒーが飲めなくなる?世界のコーヒーの歴史がわかる。コーヒー産地の「今」がわかる。

目次

第1章 コーヒー産地に迫る危機(コスタリカの森の中から
パプアニューギニアの森の中から ほか)
第2章 コーヒーの基礎知識(コーヒーの起源の話
エチオピア―食べ物として始まったコーヒー ほか)
第3章 コーヒー2050年問題とは何か(「適作地域の半減」とは何を意味するのか
気候変動によってどのような影響が出るか ほか)
第4章 描き換わるコーヒー産地の地図(2050年に産地がどう変わるか
スリランカ ほか)
第5章 コーヒーを味わい尽くす(コーヒーチェリーティー文化圏
コーヒーチェリーティーの文化史 ほか)

出版社・メーカーコメント

「世界の日常からコーヒーが消える?」(以下、まえがきより抜粋)本書は、気候変動とコーヒーをテーマにしています。執筆のきっかけとなったのは、2015年にクリスチャン・バン(以下、Bunn)らが発表したある論文です。「一杯の苦いコーヒー(A bitter cup:Climate change profile of global production of Arabica and Robusta coffee)」と題されたその論文は、地球温暖化によって、将来、コーヒーの産地でどのような影響が出るのかを予測した論文でした。ビッグデータの分析によって導き出された結論は、「2050年までに、現在のコーヒーの産地で適作地域が半減する」というものでした。その後、Bunnらの研究を受けて、ほかの研究者も最新データを用いて検証を重ねていますが、残念ながら結果は変わっていません。このシミュレーションは、日本のコーヒー業界に大きな衝撃を与え、「コーヒー2050年問題」と呼ばれるようになりました。気候変動を前提とする時代に、コーヒーの生産現場では今何が起きているのか、消費者である私たちに何ができるのか、これらの問題を一緒に考えていきましょう。

著者紹介

武田 淳 (タケダ ジュン)  
(株)JTB関東、コスタリカ共和国環境エネルギー省(JICA海外協力隊)を経て横浜国立大学大学院環境情報学府博士後期課程修了(学術博士)。日本学術振興会特別研究員(DC2)、青山学院大学非常勤講師、人間環境大学専任講師などを経て、2019年より静岡文化芸術大学専任講師、2021年より准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)