• 本

菅江真澄

旅人たちの歴史   2

出版社名 未来社
出版年月 1980年10月
ISBNコード 978-4-624-11160-1
4-624-11160-5
税込価格 2,860円

商品内容

目次

たびごろもおもひたち父母にわかれて、春雨のふる里を袖ぬれていで、玉匣ふたむら山をよそに三河路を離て
いではのくに田川郡鼠が関といふ、しつまやのをさがやに泊りぬ。これよりなべて庄内とよぶ
関屋を越て大間越といふ処にて津梅川を渡る。これよりの道ののり一里の遠さを、よそちよまちにふみわきたり
津軽侯の役人より、船よそほひ致され申べしと案内ありて、船頭各々上下を着し、船玉の御酒をさゝげ、舟歌を奏すれば―『東遊雑記』
山田あり、こは、稲てふものうゝるにあらず、田稗とて、ひえかりたるくち根のみ残りぬるに、霜ふかくさむし。かまやの浦にいず
河べたの角ぐむあしのなかに、ながやかの木のうれにわら、菅、あるは又笹などをつかねいひてさしたり
ちいさやかの祠ある側に文永の碑あり、こと文字は苔にかいけたりて、それとはよみもとかれず
旅立してける人しあれば、小石ふたつをとりて水うちかけて、その人のはぎのつよからん事をいのるならはし也
としごとの卯月八日を山口とし、みな月の十五日は神わざなれば、まうづる人多し
天瀬川の村なる山岨の能布巨畠といふあり。そのゆゑは、天正のむかしの事にやあらん、信雄卿こゝにさすらへのよしを伝ふ

出版社・メーカーコメント

天明三年、故郷三河を離れて以後四〇余年間に膨大な紀行文・地誌・図絵を残した真澄の旅の仕方を通して、当時の社会構造・経済・科学・文化を読み取る。昭和を代表する民俗学者による、江戸後期の大紀行家の傑作評伝。