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旧東欧世界 祖国を失った一市民の告白

出版社名 未来社
出版年月 2000年8月
ISBNコード 978-4-624-11179-3
4-624-11179-6
税込価格 2,750円
頁数・縦 260P 20cm

商品内容

要旨

冷戦後、東欧世界は過去の遺産となってしまった。「旧ユーゴ」、「旧ソ連」、「旧共産主義圏」などと呼ばれ、民族紛争や旧体制と新体制のはざまで深刻なアイデンティティ危機に陥っている「旧東欧世界」の歴史と現在を、スラヴ圏を代表する知識人が哀傷をこめて証言する。

目次

第1部 「旧」世界(「旧」という呼び名
旧共産主義者
かつての反体制派
瓦礫の下の紋切型 ほか)
第2部 私の属するこの「旧」世界(筏の上で―告白
冷戦と雪解け
架け橋
レジスタンス―ドゴール、チトーと私たち ほか)

出版社・メーカーコメント

──「冷戦後、 東欧世界の一部はいわば過去の遺産となってしまった」──<br /> 両大戦下にユーゴスラヴィアのモスタルで生まれ、 現在コレージュ・ド・フランス、 ローマ大学で教鞭をとる、 スラヴ圏を代表する亡命知識人が、 「旧ユーゴ」、 「旧ソ連」、 「旧共産主義圏」 と呼ばれ、冷戦の終わった90年代以後、旧体制と新体制のはざまで深刻なアイデンティティ危機に陥っている 「旧東欧世界」 の行方を、 民衆の来歴や歴史的証言を織りまぜつつ批判的に模索する、 痛切な省察の書。

著者紹介

マトヴェイェーヴィチ,プレドラグ Matvejevitch,Predrag
1932年、旧ユーゴスラヴィアのモスタルで、ロシア人の父とクロアティア人の母のあいだに生まれる。サラエヴォとザグレブの大学でロマンス語文献学とフランス文学を学び、パリ第三大学(ソルボンヌ校)で博士号を取得。ザグレブ大学教授、パリ第三大学およびコレージュ・ド・フランスの客員教授などを経て、現在はローマ大学でスラヴ文学を教える。現代スラヴ世界の傑出した作家・エッセイスト。おもな著書に『新しい文化創造のために』(1975年)、『出来事の詩学のために』(1979年)、『今日ユーゴスラヴィアたること』(1982年)、『地中海―ある海の詩的考察』(1987年、邦訳は平凡社、1997年)、『もうひとつのヨーロッパからの書筒』(1992年)、『アジールと亡命の間で―ロシア書筒集』(1993年)など多数
土屋 良二 (ツチヤ リョウジ)  
1959年生。東京外国語大学外国語学部フランス語学科卒、同大学院外国語学研究科修士課程修了。現在、津田塾大学、白百合女子大学ほか講師。フランス文学専攻。訳書にP・グリマル『ローマの愛』(共訳、白水社)、P・マトヴェイェーヴィチ『地中海―ある海の詩的考察』(共訳、白水社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)