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三コ

日本傑作絵本シリーズ

出版社名 福音館書店
出版年月 1969年8月
ISBNコード 978-4-8340-0206-5
4-8340-0206-3
税込価格 1,430円
頁数・縦 1冊 32cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 限定復刊ありがとう!ずーっと待ってましたー!!

    ずっと、ずーっと品切で図書館でしか読めませんでした。限定復刊の案内の中に「三コ」を見つけたとき、どれほどうれしかったか!
    東京出身でありながら、秋田をこよなく愛してくれた斎藤隆介の秋田弁によるすばらしい文章。滝平二郎の躍動する美しく、力強い絵。貧しいオンチャ(秋田弁で次男、三男などのこと)達を救うため燃えさかる山に自ら覆い被さって山の火を消した心優しい巨人、三コ。
    白黒の版画絵で展開していく物語が、山火事のシーンで真っ赤に変わる。そのページをめくったときに目に飛び込んでくる赤!秋田の大人達のほとんどは子供の頃、このお話を読んだはず。学校の図書館にはこの「三コ」と「八郎」が並んでいたはず。今の秋田県人ですら使わなくなった秋田弁で書かれたこの本を、今の子供達にも読んで欲しい。岩崎書店の「花さき山」も一緒に。斎藤、滝平名コンビによる数々の絵本には他にも秋田を題材にしたものが多くあります。「ふき」「火の鳥」など。もう一度手にとって欲しい本ばかりです。残念ながら復刊後まもなく亡くなられた滝平先生のご冥福をお祈りいたします。

    (2009年9月11日)

著者紹介

斎藤 隆介 (サイトウ リュウスケ)  
1917年、東京生まれ。明治大学文芸科卒業。新聞、雑誌記者を経て、戦後は、疎開先の秋田でNHKライター、わらび座文芸演出部客員。58年帰京し、新制作座文芸演出部嘱託、ルポ・ライターなどをした。85年没
滝平 二郎 (タキダイラ ジロウ)  
1921年、茨城県生まれ。40年ごろから木版画をはじめ、42年造型版画協会第六回展に初出品。戦後、日本美術会に参加、以後日本アンデパンダン展に版画作品の出品を続け、同時に出版美術方面の仕事もはじめる。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)