• 本

冤罪者

文春文庫

出版社名 文藝春秋
出版年月 2000年11月
ISBNコード 978-4-16-745102-8
4-16-745102-6
税込価格 885円
頁数・縦 616P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 最後まで予断を許さない、騙される快感に満ちた一冊

     ノンフィクション作家である五十嵐友也のもとに拘置所にいる河原輝男からの手紙が届く。彼は今から十二年前、一九八三年に起こった《中央線沿線連続女性暴行殺人事件》の犯人とされ、冤罪を訴える男だった。五十嵐にはこの事件に関わり、婚約者の水沢舞が事件の被害者になった、という過去があった。最初は不快感を覚えていた五十嵐だったが、徐々に冤罪の可能性に気持ちが傾いていく。
     迷子になってしまい、目的地が分からない。仕方ないからと闇雲に道を進むと、もとへ戻る道さえ分からなくなって、途方に暮れる。何も分からないところへ放り込まれたような不安を読者に与えるのが、本書である。不信に満ちた物語だ。物語全体に漂う確信犯的な《嘘臭さ》が、本書を先の読めない物語にしている。癖の強い登場人物たちの複雑な人間関係によって形成される歪んだ物語の果てに、あまりにも強烈な真実が待ち受けています。最後まで予断を許さない、騙される快感に満ちた一冊です。

    (2017年6月16日)

商品内容

要旨

ノンフィクション作家・五十嵐友也のもとに届けられた一通の手紙。それは連続婦女暴行魔として拘置中の河原輝男が冤罪を主張し、助力を求めるものだった。しかし自らの婚約者を犯人に殺された五十嵐にとって、それはとても素直に受け取れるものではない。河原の他に真犯人がいるのだろうか。謎のまた謎の千枚。