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もうみんな家に帰ろー! 26歳という写真家−一ノ瀬泰造 テンオックネァ、タウプティヤ!

出版社名 窓社
出版年月 2003年6月
ISBNコード 978-4-89625-052-7
4-89625-052-4
税込価格 3,520円
頁数・縦 278P 21cm

商品内容

要旨

「地雷を踏んだらサヨウナラ」から30年、若き写真家の魂と家族の絆が甦る!故郷から戦場まで、あくまでも自分自身を信じて撮り続けた写真家の心のありかを探った、もうひとつの一ノ瀬泰造写真集。息子の遺志と夫の願望、そして母の気づきとあふれる愛情が30年を経て実を結ぶ。残されたフィルムを焼き続けてきた母の「暗室日記」も収録。

目次

1 一ノ瀬泰造の写真(学生時代
戦場を駆ける)
2 一ノ瀬泰造の人生(「ひと夏の思い出」(一ノ瀬信子)
タイゾー物語
一ノ瀬泰造の経歴 ほか)
3 一ノ瀬泰造の父と母(「泰造、そちらでは元気でやっているか?」(一ノ瀬清二)
一ノ瀬清二の写真
「夫よ!息子よ!―夫が見た戦争、息子が撮った戦争」(一ノ瀬信子) ほか)

おすすめコメント

日本テレビ系で放映された「NNNドキュメント'03 一ノ瀬泰造・幻の報道写真」の関連本です。

内容抜粋

本書「被弾したカメラ−30年後の現像−」より

1972年10月下旬、泰造がベトナム戦争取材中に持っていたカメラが被弾して、以来30年の歳月が経ってしまいました。主人は永遠に不在のまま、カメラはその魂の拠り所として、しっかり生きてきました。泰造が73年4月に一時帰国した折りに、そのカメラを両親に差し出して、「いいのが撮れたのになぁ!」とニャッと笑った顔が今も生き生きと瞼に浮かびます。この度、何か運命的な「トキ」の流れに従って、長年カメラに装填されたままだった生のフィルムを一部現像することにいたしました。その日、その時まで、絶対に現像は不可能と思われていたフィルムに何かの絵が現れ始めたのです。現像からプリントまでの現場に立ち会い、胸の高鳴りと痛みをこらえるのに精一杯でした。被弾前後の3コマのフィルムから、私はその時の泰造の気持がとてもよく解りました。一枚には“猫”の姿が写っているように見えました。水を汲みにやってくる解放軍兵士の足元には、マスコットのような猫が2匹、じゃれながらまとわりついて一緒にくるではありませんか・・・・・、それを見つけた泰造は思わず“快哉”を叫んでシャッターを切りました。残念ながら“幻の1コマ”となりましたが、「泰ちゃん、とても素敵な写真が撮れましたね!私もこんなに嬉しいことはありませんよ!!」と大きく語りかけてやりたい気持で一杯です。