• 本

逆転の大中国史 ユーラシアの視点から

出版社名 文藝春秋
出版年月 2016年8月
ISBNコード 978-4-16-390506-8
4-16-390506-5
税込価格 1,674円
頁数・縦 309P 20cm

商品内容

要旨

日本人は、中国の歴代王朝を暗記し夷狄を討つため辺境の地に赴任する兵士の漢詩を学ぶ。しかし、実は、夏王朝から現在の中国まで一気通貫に歴代王朝が続いてきたかのような史観は間違っている。長城の外の草原には黄河文明とほぼ時を同じくして興った文明があった。青銅器を使い漢字文明にとりこまれるのを嫌いルーン文字を使った人々もいた。最新の考古学、文化人類学、言語学を駆使したまったく新しい歴史書の誕生!

目次

序章 中国の歴史を逆転してみる
第1章 「漢民族」とは何か
第2章 草原に文明は生まれた
第3章 「西のスキタイ、東の匈奴」とシナ道教
第4章 唐は「漢民族」の国家ではなかった
第5章 三つの帝国が鼎立した時代
第6章 最後のユーラシア帝国、清
終章 現在の中国は歴史に復讐される

おすすめコメント

目次 逆転の大中国史――ユーラシアの視点から 序章 中国の歴史を逆転してみる 日本人は、中国の歴代王朝を暗記し、夷狄を討つため辺境の地に赴任する兵士の漢詩を学ぶ。しかし、実は、夏から現在の中国まで一気通貫に現在の中国に歴代王朝があったかのような史観は間違っている。北京から世界を観るのではなくユーラシアから中国大陸を見ると世界は違って見えてくる。第一章 「漢民族」とは何か 「漢民族」という「民族」が古代からいて、黄河を中心に文明を周辺部に広げていった。そのように現在の中国でも日本でも信じられている。しかし考古学的、言語学的な証拠によれば、そもそも「漢民族」とよべるような人びとはいなかった。ユーラシアに興った諸文明が黄河流域に移動してくることで歴史が始まる。第二章 草原に文明は生まれた 紀元前10世紀揚子江の中原地区に、殷王朝が栄えていたのと同じ時期、シベリアや内モンゴルなどのユーラシアには、青銅器を冶金する冶金文明がすでに生まれていた。ユーラシアの青銅器文明は紀元前三〇〇〇年前まで遡ることができる。さらに時代を遡った遺跡に、古代遊牧文明が残した謎の鹿石がある。第三章 「西のスキタイ、東の匈奴」とシナ道教 万里の長城は、「漢人」の文明をよく現している。城壁で囲った土地に縛られる文明だ。その外にあった遊牧文明は移動する文明だった。その先駆者ともいえるのが、西のスキタイ、東の匈奴だった。自然の神々を信じるシャーマニズム的な価値観の遊牧文明と、対照的な形で、「漢人」たちは「現世利益」の道教にのめりこむ。第四章 唐は「漢民族」の国家ではなかった 現代中国の新疆ウイグル自治区やチベット自治区でなぜ、大規模な抗議運動が二一世紀になっても発生するのか。かつてのウイグル帝国とチベット帝国と唐が鼎立していたユーラシアの歴史をいま一度振り返る必要があるが、唐はそもそも漢民族の国家ではなかった。第五章 三つの帝国が鼎立した時代 現在の中国の歴史教育では唐が九〇七年に滅亡したあと、混乱の五代十国時代をへて「漢民族」による「宋」が再び中国を統一したことになる。しかし、ユーラシア全体に視点を俯瞰していくと、この時代は、モンゴル系の「遼」、チベット系の「西夏」と「宋」の三つの王朝が鼎立していた時代ということになる。 ほか

著者紹介

楊 海英 (ヨウ カイエイ)  
1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。モンゴル名オーノス・チョクトの日本語訳は大野旭。国立静岡大学人文社会科学部教授。専攻、文化人類学。博士(文学)。1987年北京第二外国語学院大学日本語学科を卒業。1989年に日本に留学。別府大学、国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文化人類学の研究を続けた。とりわけ国立民族学博物館では梅棹忠夫氏と松原正毅氏らに師事してユーラシア草原で現地調査。2000年に日本に帰化。著書に『墓標なき草原 内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』(岩波書店・司馬遼太郎賞受賞)、『チベットに舞う日本刀 モンゴル騎兵の現代史』(文藝春秋・樫山純三賞受賞&国基研・日本研究賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)