• 本

夜行

出版社名 小学館
出版年月 2016年10月
ISBNコード 978-4-09-386456-5
4-09-386456-X
税込価格 1,512円
頁数・縦 253P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 異様な世界を彷徨ってきた読者の前に現れる、予想外の光景

    英会話スクールの仲間たち六人で鞍馬の火祭を見物に出かけた十年前の夜、仲間の一人が姿を消した。姿を消した女性《長谷川さん》。彼女を除く当時の仲間五人が鞍馬の火祭のために十年振りに集まった時、私は《長谷川さん》を思わせる女性を追って一軒の店に入る。その画廊で私が出会ったのは、『夜行』という連作を描き続けた岸田道生の銅版画だった。仲間たちにその銅版画の話をしたところ、彼らもその岸田道生の絵について心当たりがあったようで、ひとりひとり『夜行』と《長谷川さん》をめぐる記憶を語り始める。
    語り手の話はどこか違和感を孕んでいて決して綺麗な終わり方(いわゆる腑に落ちるタイプの作品とは違っています)をしないが、それが読者の想像力を掻き立て、美しい余韻となる。見慣れた日常を見慣れぬ非日常がひっそりと横切り、とても読む側を不安な気分にさせる作品でもあるが、この不安が不思議と心地良かったりもする。
    そして物語の終盤、語り手たちの話とともに異様な世界を彷徨ってきた読者の前に予想外の光景が現れる。その光景はあまりにも魅力的だ。
    描き出される幻想的で静謐な世界はとても美しく、心に残る。とても良い作品だ。

    (2016年12月8日)

商品内容

要旨

『夜は短し歩けよ乙女』『有頂天家族』『きつねのはなし』代表作すべてのエッセンスを昇華させた、森見ワールド最新作!旅先で出会う謎の連作絵画「夜行」。この十年、僕らは誰ひとり彼女を忘れられなかった。

おすすめコメント

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」 【編集担当からのおすすめ情報】 春風の花を散らすと見る夢は さめても胸の騒ぐなりけり −−西行法師

出版社・メーカーコメント

僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作! 「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」

著者紹介

森見 登美彦 (モリミ トミヒコ)  
1979年奈良県生まれ。京都大学農学部卒業、同大学院修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞を受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)