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徳川がつくった先進国日本

文春文庫 い87−4

出版社名 文藝春秋
出版年月 2017年1月
ISBNコード 978-4-16-790776-1
4-16-790776-3
税込価格 562円
頁数・縦 156P 16cm

商品内容

要旨

江戸時代には、内乱、自然災害、侵略など数々の危機があった。にもかかわらず、なぜ平和は保たれたのか。そこには、血生ぐさい戦国の風潮から脱し、民を慈しみ、人命を尊重する国家へと転換していった為政者たちの姿があった。“徳川の平和”がもたらした大いなる遺産を、4つの歴史的事件から時代をさかのぼって解説する。

目次

第1章 「鎖国」が守った繁栄―1806年(文化3年)(「徳川の平和」の岐点
文化爛熟期に起きたウェスタン・インパクト ほか)
第2章 飢饉が生んだ大改革―1783年(天明3年)(幕府中興の祖、吉宗の行った改革
田沼政治の功罪 ほか)
第3章 宝永地震 成熟社会への転換―1707年(宝永4年)(新田開発へと雪崩を打つ
上道部沖新田の干拓事業 ほか)
第4章 島原の乱「戦国」の終焉―1637年(寛永14年)(徳川時代の幕あけ
生瀬の乱の凄惨な事実 ほか)

おすすめコメント

NHK教育テレビで平成23年10月に、4回にわたって放送された番組「さかのぼり日本史」をもとに作った単行本「NHKさかのぼり日本史 E 江戸 ”天下泰平”の礎」の文庫化です。落とした財布が世界で一番もどってくる日本。自動販売機が盗まれない日本。テラシーが高い日本人――これは明らかに「徳川の平和」のなかでできあがったものだと磯田さんは断言しています。では、なぜこの国の素地は江戸時代に出来上がったのか。4つのターニングポイントを挙げ読み解いていきます。ひとつは、1637年の島原の乱。島原の乱によって武力で抑えるだけが政治ではない、「愛民思想」が芽生え、武家政治を大転換しました。ふたつめは、1707年の宝永地震。新田開発のために環境破壊が進み、結局は自然からしっぺ返しを受けることを学びました。その教訓から、豊かな成熟した農村社会へと転換していきました。3つめは、1783年の天明の飢饉。天候不順が続き、各地で凶作が続くと、商業に興味が向き、農村を捨てて都市へ流れ込む人口が急増。その結果、農村は後荒廃し深刻な事態を招きました。そこで人民を救うという思想に基づいた行政が生まれていきました。4つめは、1806年〜1807年、11代将軍家斉の時代に起こった露寇事件。ロシア軍艦が突如、樺太南部の松前藩の施設を襲撃、ことごとく焼き払いました。翌年4月にもロシア軍艦二隻が択捉島に出現し、幕府の警備施設を襲撃しました。二度にわたるロシアの襲撃事件は、幕府に大きな衝撃を与え、結果的に開国か鎖国下の議論を活発化させ、国防体制を強化させていきました。この事件をきっかけに「民の生命と財産を維持する」という価値観と「民を守る」という政治意識がつくりあげられていた確立されました。こうやって日本は、徳川の幕藩体制によって先進国化していったのです。新しい視点で江戸時代をながめることのできる内容です。

著者紹介

磯田 道史 (イソダ ミチフミ)  
1970年、岡山県生まれ。2002年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。現在、国際日本文化研究センター准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)