• 本

純喫茶「一服堂」の四季

講談社文庫 ひ58−1

出版社名 講談社
出版年月 2017年4月
ISBNコード 978-4-06-293630-9
4-06-293630-5
税込価格 713円
頁数・縦 339P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 笑撃にして衝撃のミステリ

     古都鎌倉にひっそりと佇む一軒の純喫茶がある。その古民家にしか見えない純喫茶には、まるで表札のような小さな看板が掲げられており、そこには「一服堂」と書かれている。その店を切り盛りするエプロン姿の女性は人見知りでアガリ性で接客が苦手。接客には不向きな性格の彼女だが、ひとつ変わった特徴がある。それは殺人事件の推理のこととなると性格が豹変することだ。自虐的な罵倒を決め台詞に謎を解き明かす彼女の名前は、ヨリ子さん。名探偵である。
     本書は喫茶店を舞台にした連作ミステリになっています。コミカルな登場人物たちのやり取りが笑いを誘う著者らしい作品でありながら、殺害方法はあまりにも残忍です。しかしその凄惨さには強い必然性があり、そこが魅力になっています。
     各エピソードの意外な真相もさることながら、本書には一冊を通して、ある壮大な仕掛けが施されています。根底を揺るがすような衝撃が結末に待ち受けているのです。ほのかな郷愁(古都鎌倉という舞台がよく似合う!)が強く心を掴む、笑撃にして衝撃のミステリです。

    (2017年4月23日)

商品内容

要旨

鎌倉にひっそりと佇む喫茶店「一服堂」の美人店主・ヨリ子は極度の人見知り。だが未解決事件の話を聞けば、態度豹変、客へ推理が甘いと毒舌のつるべ打ち。そして並外れた思考力で、密室の「十字架」磔死体など四つの殺人の謎に迫る。愛すべきキャラ、笑い、衝撃トリック満載の傑作短編集。

おすすめコメント

古都・鎌倉でひっそりと営業する古民家風喫茶「一服堂」。エプロンドレス姿の美人店主は、恥ずかしがり屋で人見知り。しかし、事件となるとガラリと人が変わってしまう。動機には一切興味がない安楽椅子型の名探偵が 「春」「夏」「秋」「冬」の4つの事件を鮮やかに解く、連作シリーズ! 「春の十字架」……密室で見つかったのは、磔にされた大学教授。「もっとも猟奇的な夏」……留守だったはずの家に忽然と現れた死体。「切りとられた死体の秋」……浴室でバラバラ状態で発見された美人秘書。「バラバラ死体と密室の冬」……出入り不可能な屋内で起きた猟奇殺人。

著者紹介

東川 篤哉 (ヒガシガワ トクヤ)  
1968年、広島県尾道市生まれ。岡山大学法学部卒業。2002年、カッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE登龍門」で第一弾として選ばれた『密室の鍵貸します』で、本格デビュー。’11年、『謎解きはディナーのあとで』で第8回本屋大賞を受賞、大ヒットとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)