• 本

球道恋々

出版社名 新潮社
出版年月 2017年5月
ISBNコード 978-4-10-350955-4
4-10-350955-4
税込価格 2,268円
頁数・縦 541P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 野球に情熱を注いだ明治の漢たちの物語

     業界紙「全日本文具新聞」で編輯長をしている宮本銀平に一高野球部のコーチの話が舞い込む。かつて黄金時代の一高の補欠であり、現在は野球から遠ざかっていた銀平は、以前は歯牙にもかけなかった三高相手に苦しむ野球部のコーチとしてふたたび野球の世界に足を踏み入れる。本書は野球に情熱を注いだ明治の漢たちの物語です。
     大人になって過去を振り返り、当時理想としていた人物像を思い浮かべ、現在の自分を鑑みる。現在の自分にがっかりする人も多いのではないでしょうか。残りの人生を諦めたような気持ちで過ごしている人もいるかもしれません(私にも心当たりがあります)。でもたとえ理想に程遠い大人になっていたとしても、「人生まで諦めるのは早くない?」と、挫折や後悔の先にあるものを描き、苦しむ人の背中をそっと押してくるのが、本書です。といっても決して押し付けがましい人生の指南書のようなものではなく、主人公とは正反対の考えを持つ柿田や山藤といった生き方にも頷けるところがあり、人生の多様性を肯定する描き方が印象的でした。良くも悪くも登場人物たちの沸点は低く、時には幼稚にさえ感じる(それを指摘するような登場人物の台詞もある)

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    (2017年6月15日)

商品内容

要旨

金なし、地位なし、才能なし―なのに、幸せな男の物語。時は明治39年。業界紙編集長を務める宮本銀平に、母校・一高野球部から突然コーチの依頼が舞い込んだ。万年補欠の俺に何故?と訝しむのもつかの間、後輩を指導するうちに野球熱が再燃し、周囲の渋面と嘲笑をよそに野球狂の作家・押川春浪のティームに所属。そこへ大新聞が「野球害毒論」を唱えだし、銀平たちは憤然と立ち上がる―。明治球児の熱気と人生の喜びを描く痛快作。

出版社・メーカーコメント

明治39年春。昔は控え選手、今は小さな業界紙の編集長を務める銀平は突如、母校・一高野球部コーチにと請われた。中年にして野球熱が再燃し、周囲の嘲笑をよそに草野球ティームへ入団。そこへ降ってきた大新聞の野球害毒論運動に銀平は作家の押川らと共に憤然と立ち上がる。明治野球の熱狂と人生の喜びを軽やかに綴る痛快長篇。

著者紹介

木内 昇 (キウチ ノボリ)  
1967年東京生まれ。出版社勤務を経て独立し、インタビュー誌「Spotting」を創刊。編集者・ライターとして活躍する一方、2004年『新選組幕末の青嵐』で小説家デビュー。08年に刊行した『茗荷谷の猫』で話題となり、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。11年に『漂砂のうたう』で直木賞を受賞、13年に刊行した『櫛挽道守』は中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)