• 本

心の病気

創元こころ文庫 P−10

出版社名 創元社
出版年月 2016年6月
ISBNコード 978-4-422-00060-2
4-422-00060-8
税込価格 1,045円
頁数・縦 292P 15cm

商品内容

要旨

著者の姿勢は一貫して狂気への親しみと理解に溢れている。幻覚や妄想をも含め心の病によって現れてくるさまざまな症状を、部分から見るのではなく患者の全人格から捉えようとし、そして自らもまた、一人の人間として悩みつつ迷いつつ病者に応えようとする。こうした著者の真摯なありようから、精神科治療に不可欠の、患者に寄り添おうとする治療者の真の姿が切々と伝わってくる。

目次

1 心の病気
2 愚か
3 夢幻
4 地獄と極楽
5 無
6 苦悩
7 治療の問題
8 病院と医者
9 症例研究

おすすめコメント

本書の初版が《創元医学新書》の一冊として刊行されたのは1975年。その後、精神医学の動向は症状論が中心となり、ますますそれに拍車がかかっていった。しかし本書では、症状を患者から切り離して見るのではなく、心の病を患者という一人の人間全体から理解しようとする姿勢が貫かれている。病気の原因も、対応の仕方も、あくまでも患者その人に寄り添って考えようとする人間的な理解のありようは、精神医学のみならず今日の科学一般への鋭い批判ともなることだろう。解説は、精神科医の原田憲一氏。

著者紹介

西丸 四方 (ニシマル シホウ)  
1936年東京大学医学部卒、精神医学専攻、都立松沢病院医員、東京大学および東京女子医学専門学校講師を経て信州大学および愛知医科大学教授を歴任。両大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)