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ピークアウトする中国 「殺到する経済」と「合理的バブル」の限界

文春新書 1481

出版社名 文藝春秋
出版年月 2025年1月
ISBNコード 978-4-16-661481-3
4-16-661481-9
税込価格 1,210円
頁数・縦 254P 18cm

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要旨

大手ディベロッパー、恒大集団(エバーグランデ)や碧桂園(カントリーガーデン)の経営危機が表面化し「不動産危機」が深刻化している中国。商品住宅販売額は2021年をピークに急落し個人消費にも影響が及んでいるが、そもそも中国の不動産価格は「バブル」の状態にあった。むしろなぜ今まで崩壊しなかったのか。本書では、そんな疑問を軸に近年の不動産危機とその影響や背景を読み解く。約30年間にわたって続いてきた中国の不動産バブルは、合理的判断の積み重ねで生まれる「合理的バブル」であると見なす。さらに、今回の不動産危機を受けた中国人の考え方・行動の変化をレポートするとともに、「供給能力が過剰である」という中国経済の構造的な課題を掘り下げている。著者の梶谷懐氏は神戸大学大学院経済学研究科教授。中国人民大学留学(財政金融学院)、神戸学院大学経済学部准教授などを経て、2014年より現職。高口康太氏はジャーナリスト、千葉大学客員教授。両名による共著には他に『幸福な監視国家・中国』(NHK出版新書)がある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年3月4日]

商品内容

要旨

不動産バブルが崩壊し、今世紀最大の分岐点を迎えた中国経済。衰退に向かうのか、粘り強さを発揮するのか?『幸福な監視国家・中国』で知られる気鋭の経済学者とジャーナリストが、ディープすぎる現地ルポと経済学の視点を通して、世界を翻弄する大国の「宿痾」を解き明かす。

目次

第1章 中国の不動産市場に何が起きているのか?
第2章 ポストコロナの不動産危機
第3章 新型都市化と不動産リスク
第4章 中国不動産市場と「合理的バブル」
第5章 中国社会を覆う悲観論
第6章 地方政府はなぜ財源不足に苦しむのか
第7章 「殺到する中華EV」は中国経済を救うのか
第8章 不動産バブルと過剰生産のゆくえ

著者紹介

梶谷 懐 (カジタニ カイ)  
1970年、大阪府生まれ。神戸大学大学院経済学研究科教授。神戸大学経済学部卒業後、中国人民大学に留学(財政金融学院)、2001年に神戸大学大学院経済学研究科博士課程修了(経済学)。神戸学院大学経済学部准教授などを経て、2014年より現職
高口 康太 (タカグチ コウタ)  
1976年、千葉県生まれ。ジャーナリスト、千葉大学客員教授。千葉大学人文社会科学研究科博士課程単位取得退学。中国経済、中国企業、在日中国人社会を中心に各種メディアに寄稿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)