• 本

極北の海獣

出版社名 河出書房新社
出版年月 2025年5月
ISBNコード 978-4-309-20924-1
4-309-20924-6
税込価格 2,970円
頁数・縦 266P 20cm

商品内容

要旨

18世紀ロシア、19世紀アラスカ、現代フィンランド…今はなき巨大海棲哺乳類ステラーカイギュウを巡る、3世紀にわたる息を呑む冒険譚。葛藤を抱えその復活に情熱を燃やす人々が、いま歴史を変える―。ヘルシンギン・サノマット文学賞受賞。28言語で刊行のベストセラー!!

出版社・メーカーコメント

◆川端裕人さん推薦!!◆絶滅した生きものをめぐって、もはや四散しつつある記憶を掬い上げる。著者の丁寧な語りは、静謐にして緊密だ。魅了された読者は、自分自身、その静かな残響の一部となっていることに気づくだろう。ここに絶滅文学の精髄がある。(内容紹介)「滅びたものと相まみえてみたいと、だれもが一度は夢見たのではないだろうか」18世紀のロシア極東カムチャツカ半島(第1部)、19世紀アラスカ南東部(第2部)、現代フィンランドの自然史博物館(第3部)……300年の時を超えて、今はなき巨大海棲哺乳類ステラーカイギュウをめぐる、史実をもとにした息を呑む冒険譚。葛藤を抱えその再生に情熱を燃やす人々が、いま歴史を変えるーー。フィンランドですぐれた新人作家の作品に贈られるヘルシンギン・サノマット文学賞受賞&28言語で刊行のベストセラー。消滅した世界を悼み、文学が弔う壮大な物語。日本語版装画:ミロコマチコ 装幀:大倉真一郎【目次】第1部 栄光か、破滅かーー1741〜〈ロシア極東・カムチャツカ半島〉第2部 征服ーー1859〜〈アラスカ南東部〉第3部 命あるものたちーー1861、1950、2023〈フィンランド・ヘルシンキ〉【訳者あとがきより】登場人物それぞれが、時代によって課された制約の中で、もがき、苦しみ、苛立ち、また喜びに震える、その心のありようがいきいきと描き出される。そして、互いに出会うことはない人々の思いが、ステラーカイギュウを介して時空を超えて交差するとき、読む者の胸に深く響く物語が立ち現れる。(略)どれほど資料を集めても埋めきれないもの、それは実際にその時代を生きた人々の心の襞であり、そこを想像の力で補って骨太な作品世界を構築した著者の、作家としての手腕は確かなものだ。

著者紹介

トゥルペイネン,イーダ (トゥルペイネン,イーダ)   Turpeinen,Iida
ヘルシンキ在住の文学研究者。2014年、J.H.エルッコ短編小説コンクールで才能ある書き手のひとりに選ばれる。初の長編小説となる本作は、失われた世界と生きた文学を融合させた比類なき作品として称賛され、すぐれた新人作家のデビュー作に贈られるヘルシンギン・サノマット文学賞を受賞した
古市 真由美 (フルイチ マユミ)  
フィンランド文学翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)