糖鎖化学の基礎と実用化 普及版
〔CMCテクニカルライブラリー〕 355 バイオテクノロジーシリーズ
出版社名 | シーエムシー出版 |
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出版年月 | 2010年7月 |
ISBNコード |
978-4-7813-0210-2
(4-7813-0210-6) |
税込価格 | 5,280円 |
頁数・縦 | 318P 21cm |
商品内容
目次 |
第1編 糖鎖ライブラリー構築のための基礎研究(生体触媒による糖鎖の構築 |
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出版社・メーカーコメント
タンパク質や脂質に結合した糖鎖が,細胞の発生や,ガン化,免疫,接着,受精などの生命現象において重要な役割を果たしていることが次々と実証されて,糖鎖の研究は大きな展開を遂げている。ポストゲノム時代を迎えて,生体内での糖鎖情報の応答制御などに関連して,遺伝子レベルやタンパク質レベルでの分子構造の解明が精力的に推進されている。タンパク質や核酸とは異なる新しい生命の調節仕組みが,糖鎖研究の進展により明らかにされてきた。糖鎖の重要性は,生体内の複合糖質の成分として,重要な生体機能および生体情報の役割としてを担っているだけにとどまらない。太陽の恵みを受けて,植物・動物・微生物の体内で大量に生産される多糖やオリゴ糖などの糖鎖の重要性も忘れることはできない。糖鎖は,食糧として人類の生存の根幹に関わっている。機能物質としてみた場合にも,水になじみやすく,適当な地球環境あるいは生体内で分解されやすいなど,21世紀の人類の生存にとって必要不可欠な特質を備えている。グリーンケミストリーの担い手であり,またバイオプロセスに適用するのにふさわしい素材でもある。糖鎖のこれらの特質をさらに向上させて,接続可能資源として人類の生存と福祉に役立つようにいかに活用していくかは,重要かつ緊急の課題である。ポストゲノム生物科学としての機能科学と,太陽の恵みの担い手である糖鎖科学の両輪に関わっているのが,糖鎖化学である。生体内の複合糖質の糖鎖のみならず,単純な多糖,オリゴ糖および単糖も含めて,「糖鎖」を幅広く捉えて,両輪が手を相携えて進むことが,人類にとって必須であり,糖鎖化学の戦略として重要である。このような考えに立って本書が企画された。本書は糖鎖ライブラリーを構築するための基礎研究,多糖および糖クラスターの設計と機能化,およびこれらの実用化技術の3編から成立している。糖鎖化学の重要性の認識をもっともっと広めて,糖鎖科学を大いに展開をさせることが執筆者一同の願いである(「はじめに」より抜粋)2005年4月名古屋大学大学院工学研究科小林一清