九つの、物語
集英社文庫 は36−1
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2011年2月 |
ISBNコード |
978-4-08-746665-2
(4-08-746665-5) |
税込価格 | 682円 |
頁数・縦 | 372P 16cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
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誤解してしまいそうなほどステキな兄妹愛
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おすすめ度
- 大地堂・ラ・ラ・ルー店 (茨城県潮来市)
誤解を受けそうなタイトルですが、短編集ではありません。明治時代の作家(すべてではありませんが)の作品名を題名にして「第1話」から「第9話」まで続く物語です。2年前に死亡して、今は幽霊になって現れたおにいちゃんとゆきなの交流を主にして展開していきます。おにいちゃんが作ってくれる料理と、各話の題名となった作品の内容を随所にちりばめて進んでいきます。突然現れた幽霊は、誰でも、視える・触れることも話すこともできる幽霊らしからぬ幽霊です。しかも突然ではなく必然で現れた幽霊です。その必然がとても温かくほのぼのとした作品です。(mogi)
(2011年4月10日)
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おすすめ度
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商品内容
要旨 |
大学生のゆきなの前に、長く会っていなかった兄がいきなり現れた。女性と料理と本を愛し、奔放に振舞う兄に惑わされつつ、ゆきなは日常として受け入れていく。いつまでもいつまでも幸せな日々が続くと思えたが…。ゆきなはやがて、兄が長く不在だった理由を思い出す。人生は痛みと喪失に満ちていた。生きるとは、なんと愚かで、なんと尊いのか。そのことを丁寧に描いた、やさしく強い物語。 |
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出版社・メーカーコメント
お兄ちゃんが帰ってきた。幽霊になって。大学生のゆきなの前に、水死したはずの兄が現れた。兄の手料理を食べながら、色々な物語について語りながら、二人がたどり着く場所は──。繊細な筆致で紡がれる再生の物語。(解説/佐藤真由美)