
ロビンソン・クルーソー 上
岩波文庫
| 出版社名 | 岩波書店 |
|---|---|
| 出版年月 | 1979年 |
| ISBNコード |
978-4-00-322081-8
(4-00-322081-1) |
| 税込価格 | 1,210円 |
| 頁数・縦 | 416P 15cm |
| シリーズ名 | ロビンソン・クルーソー |
書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
『ロビンソン・クルーソー』誰もが一度は耳にしたことがある題名だろうし、また内容を知っている人も多いだろう。本書の魅力は尽きないが、とりわけ無人島でのサバイバル生活に強い記憶を持っている人は多かろうと思われる。しかし、古典としての価値という視点から見るならば、本作品が18世紀英国産業革命以前の中産階級の「理性」の典型を表わしている点に意義を見いだせよう。ここでは18世紀頃のイギリス、すなわち産業革命を挟んだ前後での人びとの「理性」のあり方を検討しつつ、現代日本のわれわれにとってこの作品のもつ意味を考えてみたい。
まず、当時の中産階級の人は技術的な裏づけのある生活の手段をもち、そしてそれに対する報酬が期待できた。すなわちこの時代の「理性」というものは、”勤勉にはその度合いに応じた報いがある”という合理的な考え方である。ロビンソンが発揮したあくなき冒険心もこの考えが根底にあったと読める。努力した者が報われるという公平な社会を理想とする近代合理主義を見ることができよう。
さて、この「理性」は、産業革命以後にはどのように変化したか。押さえておくべきその大きな点は、機械化により生産に熟練し(2009年7月31日)
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商品内容
| 要旨 |
絶海の孤島に漂着したロビンソンは合理的な行動と敬神の念を武器に、独り営々として生活を切りひらいてゆく。この物語がいまも魅力的であるのは、単にその主人公がイギリス18世紀の人間像を見事に形象化したものとなっているばかりでなく、現代に生きるわれわれ自身の人間性のもっとも中核的なものにもかたく結びついているからである。 |
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