なれのはて
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2023年10月 |
ISBNコード |
978-4-06-533143-9
(4-06-533143-9) |
税込価格 | 2,145円 |
頁数・縦 | 443P 20cm |
書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件
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なれのはて
- おすすめ度
- ほんのいえ宮脇書店越谷店 (埼玉県越谷市)
テレビ局員の主人公が異動先で出会う一枚の絵からすべてがはじまる。謎の画家をたどるうちに、1945年終戦直前の秋田大規模空襲の悲劇へとつながる。練りに練った構想がみごとに400頁を超える大作に結実している。身内も含めた広範囲で綿密な取材が説得力ある描写を裏打ちする。戦争の悲惨さをつむぐ作家の覚悟が伝わってくる。
作家加藤シゲアキが次なるステージにあがった。本作が代表作になることは間違いない。(2023年11月19日)
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商品内容
要旨 |
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員・守谷京斗は、異動先で出会った吾妻李久美から、祖母の遺品である不思議な絵を使って「たった一枚の展覧会」を企画したいと相談を受ける。しかし、絵の裏には「ISAMU INOMATA」と署名があるだけで画家の素性は一切わからない。二人が謎の画家の正体を探り始めると、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた業に繋がっていた―。 |
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出版社・メーカーコメント
一枚の不思議な「絵」の謎を追い、令和から昭和、大正へ。日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。戦争が引き起こした家族の亀裂は、現代を生きる人びとにも影を落としていた。ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動することになったテレビ局員、守谷京斗(もりや・きょうと)。異動先で出会った吾妻李久美(あづま・りくみ)が祖母から譲り受けた、作者不明の不思議な古い絵を使って「たった一枚の展覧会」を実施しようと試みる。ところが、許可を得ようにも作者も権利継承者もわからない。手がかりは絵の裏に書かれた「イサム・イノマタ」の署名だけ。守谷は元記者としての知見を活かし、謎の画家の正体を探り始める。だがそれは、秋田のある一族が、暗い水の中に沈めた秘密に繋がっていた。1945年8月15日未明の秋田・土崎空襲。芸術が招いた、意図しない悲劇。暴走した正義と、取り返しのつかない後悔。長年秘められてきた真実は、一枚の「絵」のミステリから始まっていた。戦争、家族、仕事、芸術……すべてを詰め込んだ作家・加藤シゲアキ「第二章」のスタートを彩る集大成的作品。「死んだら、なにかの熱になれる。すべての生き物の成れの果てだ」