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疲労とはなにか すべてはウイルスが知っていた

ブルーバックス B−2248

出版社名 講談社
出版年月 2023年12月
ISBNコード 978-4-06-534385-2
4-06-534385-2
税込価格 1,100円
頁数・縦 254P 18cm

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要旨

多くの人にとって「疲労」は身近なものだろう。2023年に行われた日本人10万人を対象とする調査によると、78.5%もの人が「疲れている」と答えたという。だが、残業などで「疲れた」というレベルから、うつ病にもつながる過労まで、疲労もさまざまだ。そうした分類や原因を、科学はどう解明しているのか。
本書では、日本の疲労研究をリードする著者が、疲労の原因やメカニズムについて、自身の研究成果を含む最新の知見を詳細に紹介している。一般的には「疲れた状態」を指す言葉である「疲労」だが、一人ひとりの感覚である「疲労感」と、客観的に観察が可能な体の障害や機能低下である「疲労」は異なる。さらに後者は、一時的で休息により回復する「生理的疲労」と、持続的で休息したくらいでは治らない「病的疲労」に分けて考えなければならないという。
著者は、東京慈恵会医科大学ウイルス学講座教授。同大学疲労医科学研究センターセンター長を兼任。生理的疲労のメカニズムの解明、うつ病の原因遺伝子SITH-1の発見など数多くの業績をあげている。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2024年1月26日]

商品内容

文学賞情報

2024年 第40回 講談社科学出版賞(旧・講談社出版文化賞・科学出版賞)受賞

要旨

欧米では疲れていても働くことは愚かな行為とされる。疲労した相手を讃えあう「特異な国」だからこそ、日本の疲労研究はいま、世界で最も進んでいる。「疲労」を科学的に解析してわかってきたのは、そこにはウイルスが大きく関わっているということだった。うつ病の原因となる「SITH‐1」の発見者が明かす、世界が驚いた疲労のメカニズム!

目次

序章 疲労を科学するには
第1章 生理的疲労とはなにか
第2章 慢性疲労症候群―病的疲労の代表格
第3章 うつ病―究極の病的疲労
第4章 新型コロナ後遺症―見えてきた病的疲労の正体
第5章 ついにすべてがつながった
第6章 人類にとって疲労とはなにか

出版社・メーカーコメント

疲労することが恥とされてきた欧米では、疲労の研究はタブーとされ、結果として、日本が世界の疲労研究をリードしてきた。しかしいま、うつ病や新型コロナ後遺症によって、疲労は世界共通の大問題となってきた! どうすれば科学的なアプローチができるのかもわからなかった疲労研究において、疲労の度合いを正確に測定する方法などを開発して世界のトップランナーとなっている著者が、そもそも疲労とはなにか、ヒトはなぜ疲労するのか、疲労を起こすメカニズムはどのようなものかを説く、かつてなかった疲労を科学する本!

著者紹介

近藤 一博 (コンドウ カズヒロ)  
東京慈恵会医科大学ウイルス学講座教授。1958年、三重県津市生まれ。1985年、大阪大学医学部卒業。1991年、大阪大学微生物病研究所助手。1993〜1995年、スタンフォード大学留学。1996年、大阪大学大学院医学系研究科・微生物学講座助教授。2003年より現職。2021年より東京慈恵会医科大学疲労医科学研究センターセンター長を兼任。ヒトヘルペスウイルス6(HHV‐6)の潜伏感染・再活性化機構を解明したほか、生理的疲労のメカニズムの解明、うつ病の原因遺伝子SITH−1の発見、新型コロナ後遺症の原因の究明など多くの業績をあげる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)