35年目のラブレター
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2024年4月 |
ISBNコード |
978-4-06-534849-9
(4-06-534849-8) |
税込価格 | 1,980円 |
頁数・縦 | 284P 20cm |
商品内容
要旨 |
貧しさ故にいじめられ、低学年で小学校に通わなくなり、読み書きができないまま社会に出た西畑保さん。差別的な扱いを受け、言いしれぬ劣等感を抱いてきましたが、持ち前の明るさを捨てず、手に職をつけ、結婚して子育てをし、そして還暦を過ぎて夜間中学で読み書きを学び始めました。その理由は、最愛の妻にラブレターを書くためだったのです―。毎日新聞論説委員の著者が、西畑保さんに寄り添い、各メディアで取り上げられた実話を一冊のノンフィクションとして書きあげました。 |
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目次 |
第1章 学校なんて行くもんか |
出版社・メーカーコメント
貧しさ故に盗みを疑われ、小学2年生で学校に通うのをやめた。読み書きをおぼえようと64歳で夜間中学に通い始めた。それは、連れ添ってくれた妻にラブレターを書くためだった−−。新聞、テレビでも紹介された感動の実話を書籍化。西畑保さん、87歳(2023年現在)。和歌山県の山間で生まれ育った西畑さんは、小学2年生の途中から学校に通わなくなった。自らが落としたお金だったのに、自分のものだと名乗り出たのだが、うそだと言われ、泥棒扱いされた。教師もいじめを止めなかった。それもこれも、貧しさが理由だった。中学で働きに出たパン工場をはじめ、西畑さんの人生につきまとったのは、「読み書きができないこと」だった。働いた飲食店では、電話で受けた注文の内容をメモに記すことができなかった。素材を仕入れに卸問屋に行っても、買い物メモが読めなかった。読み書きができないことを隠して結婚したが、町内の回覧板にサインができず、妻の知るところとなる。それを知った皎子(きょうこ)さんは、西畑さんにこう声をかけた。「ずっと、つらい思いをしてきたんやろな」。それから三十年の月日が過ぎ、64歳になった西畑さんは、夜間中学に通うことに決めた。それは、連れ添ってくれた妻にラブレターを書くためだった−−。