羅刹国通信
出版社名 | 東京創元社 |
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出版年月 | 2024年4月 |
ISBNコード |
978-4-488-02901-2
(4-488-02901-9) |
税込価格 | 1,980円 |
頁数・縦 | 229P 20cm |
商品内容
要旨 |
叔父を殺したことは固く秘しておくべきだった。自殺するなんてと母が泣き続けるものだから、本当はわたしが崖から突き落としたのだとわかれば、すこしは気が楽になるかと思ったのだ。震災で妻を失いPTSDに苦しむ叔父との同居に疲弊する家族のために、小学六年生の左右田理恵は叔父を殺した。その四年後、理恵は奇妙な夢を見るようになる。荒れ果てた灼熱の地で岩蔭と食糧を求める「鬼」の集団。かれらは二つの勢力に分かたれ争い殺し合う―その法則を理恵に教えたのは、同じ夢を共有する一人の少年だった。鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。 |
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出版社・メーカーコメント
震災で妻を失ってうちに身を寄せることになった叔父は、心を瓦礫の下に置いてきたまま、ただ死を待ち望んでいる状態だった。当時小学六年生だったわたしは、家族の負担を減らすために叔父を殺した。四年後、幻聴に悩まされながら殺人者としての生を生きていたが、ある夜から悪夢を見るようになった。荒れ果てた地で、岩陰に血塗れになって横たわる人々。闇の向こうから這ってくる鬼の姿。やがてわたしの身体にはある変化が起こり−−鬼才の幻視文学の頂点となる幻の傑作、初単行本化。