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Q→A

出版社名 講談社
出版年月 2016年6月
ISBNコード 978-4-06-220075-2
4-06-220075-9
税込価格 1,540円
頁数・縦 242P 20cm

商品内容

要旨

アンケートが引きだす、ややこしくて、ばからしくて、せつない、中学三年生の本音。朝日中学生ウイークリー(現・朝日中高生新聞)で大反響の連載を書籍化!

おすすめコメント

Q5 中学生活最後の学年です。これからどんな一年にしたいですか? どんな一年って、受験しかないじゃん。(中略) 朝子は人生最初の大きな試練だからこそ、きちんと勝負をしてみたかった。そうじゃなきゃ、自分は変われない。この痩せすぎの身体を気にする性格、苦手なことから逃げたい性格、緊張しすぎる性格。そんな自分が好きになれないから、いつも自分に自信がないし、未来に対しても希望が持てない。朝子は、そんな自分から卒業したかった。早いうちに、できれば中学のうちに克服して、生まれ変わったような自分で高校生活を満喫したい。そのために、この初めての関門は逃げたくないと思うのだ。(中略) これは、自分を変えるチャンスなのだ。これくらい大きな勝負に、全力でのぞまないと、とても今の自分を変えることはできないと思うのだ。それで朝子は、最後の質問にこう回答した。 A 勝負の年にしたい。 朝子は、大きく息を吐いて窓の外を見た。相変わらず、桜の花びらがはらはらと散っている。すべての回答を終えてホッとしたせいか、朝子は、しみじみと本当に中学三年生になったのだと実感していた。頑張らないと。朝子は、最初の思惑どおり、ひどくシンプルな五つの回答を眺めながら、強い覚悟でそう思った。そし最後の名前を書く欄に「三年一組、野崎朝子」と書くと、これは間違いでもなんでもない現実なんだと、ようやく信じられる、そんな心持ちになったのだった。(本文より) 野崎朝子とそのクラスメイトが、それぞれ学校や塾のアンケートに答えていくことで、自分のほんとうの気持ちに気づいていきます。

著者紹介

草野 たき (クサノ タキ)  
1970年、神奈川県生まれ。実践女子短期大学卒業。1999年、『透きとおった糸をのばして』で、講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。2001年、同作で児童文芸新人賞を受賞。2007年、『ハーフ』(ポプラ社)で日本児童文学者協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)