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雪子さんの足音

出版社名 講談社
出版年月 2018年2月
ISBNコード 978-4-06-220983-0
4-06-220983-7
税込価格 1,404円
頁数・縦 123P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 親切が生み出す、リアルな人間関係。

    《眠るように死んでまだきれいなうちに下宿人に見つかるというのが、雪子さんの理想の最期だった。その望みは叶えられなかったことを、八月の終わり、薫は出張さきの品川のホテルで朝刊を読んでいて知った。》
    そんな始まりの雰囲気からは想像できないような、意外な刺激を持つ作品です。物語は熱中症で月光荘の大家である川島雪子(90歳)が亡くなったということを、20年前に月光荘で暮らしていた湯佐薫が知るところから始まる。大学三年の薫、息子を喪ったばかりの大家である雪子さん、テレフォンオペレーターをしている同い年の小野田さん。そんな三人の下宿内の人間関係が綴られていきます。
     親切はときに疎ましく、しかしそれを疎ましいと思っている自身が憎らしくなるので、それを口に出すことはできない。ふと本書を読みながら浮かんだ言葉なのですが、意外と多くの人がその言葉に首肯してくれるのではないだろうか、とも思いました。お節介とかありがた迷惑といった言葉があるように、当然ですが親切というのも度が過ぎると相手が不在の独り善がりのものになってくる場合があります。そういった人間関係を形成する上で重要な問題が、本書では丁寧に描かれ

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    (2018年2月22日)

商品内容

要旨

東京・高円寺の家賃5万円のアパート月光荘。「サロン」と名付けた居間を下宿人に開放して食事や小遣いまで世話を焼くひとり暮らしの大家・雪子さんと、大学3年生の薫と、同い年のOL小野田さん。微妙なバランスで3人の関係は続いていたが…。第158回芥川賞候補作!

おすすめコメント

東京に出張した僕は、新聞記事で、大学時代を過ごした高円寺のアパートの大家の雪子さんが、熱中症でひとり亡くなったことを知った。20年ぶりにアパートを訪ねようと向かう道で、僕は、当時の日々を思い出していく。

著者紹介

木村 紅美 (キムラ クミ)  
1976年兵庫県生まれ。小学校6年生から高校卒業まで宮城県仙台市で過ごし、現在の実家は岩手県盛岡市。明治学院大学文学部芸術学科卒。2006年に「風化する女」で第102回文學界新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)