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中国法 「依法治国」の公法と私法

集英社新書 1043

出版社名 集英社
出版年月 2020年11月
ISBNコード 978-4-08-721143-6
4-08-721143-6
税込価格 946円
頁数・縦 254P 18cm

商品内容

要旨

中国法を理解することは、対中ビジネスを行ううえで不可欠なものである。認識の不十分さが深刻な事態を招いた事例は枚挙にいとまがない。そもそも中国法は、私法(物権法や契約法などの民法)と公法(憲法や刑事法など)とでまったく様相が異なる。例えば、経済の円滑な遂行を保証する中国契約法は、国際的な契約立法を取り入れた先進的な法である一方、憲法は立憲主義憲法とはまったく類型を異にしており、市民の精神的、身体的自由に対する公権力の容赦なき弾圧と拷問による自白強要が普遍化している。なぜ中国法はこのように複雑な相貌を有するのか。具体的な裁判例に即して、その謎を解いていく。

目次

私法か公法か、法律認識のギャップがもたらした事態―尖閣諸島国有化問題
私法編(“中国では法はあって無きが如し”か
悪魔の証明を強いられた日本企業―三菱自動車株式会社損害賠償事件
対日損害賠償請求における法と政治―「商船三井」船舶差押事件とその後
教室の学生の誰一人として賛成しなかった民事判決―広東省五月花レストラン人身傷害賠償請求事件)
公法編(二つの憲法―沈涯夫・牟春霖誹謗事件
拷問による自白の強要―殺されたはずの妻が舞い戻ってきた余祥林事件と、憐れ刑場の露と消えた劉涌事件
中国の「法院」は裁判機関か―莫兆軍職務懈怠罪事件
表の法と裏の法―南〓鋒不法所得罪事件)

著者紹介

小口 彦太 (コグチ ヒコタ)  
1947年生まれ。法学博士。1969年早稲田大学第一法学部卒業、1974年早稲田大学大学院法学研究科博士課程満期退学。早稲田大学法学部教授を経て、早稲田大学名誉教授、中国人民大学法学院名誉客座教授、ハーバードロースクール東アジア法研究プログラム訪問学者、江戸川大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)