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ドンキにはなぜペンギンがいるのか

集英社新書 1104

出版社名 集英社
出版年月 2022年2月
ISBNコード 978-4-08-721204-4
4-08-721204-1
税込価格 924円
頁数・縦 231P 18cm

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要旨

現代日本で生活する限り、コンビニやスーパー、ドラッグストア、ファミレスなど「チェーンストア」の利用は避けて通れないだろう。毎日のように訪れる人も少なくないはずだ。チェーンストアには、街を均質化し、その個性や培われてきた文化を奪うといった批判がつきまとう。その批判は妥当なのだろうか? 本書では、成長著しいディスカウントストアチェーン「ドン・キホーテ」を題材に、チェーンストアが都市のあり方や人々の「共感性」に与えた影響を、文化人類学、社会学、建築学などの理論をもとに考察。チェーンストア界の異端児とも言われるドン・キホーテの特徴の一つに、店舗の飾りとして、同店のマスコットキャラクター「ドンペン」があしらわれていることがある。店によって異なる意匠のドンペンが、チェーンストアの存在意義などを探る上で重要な鍵になるのだという。著者は1997年生まれのライター。早稲田大学教育学術院国語教育専攻に在籍。デイリーポータルZ、オモコロ、サンポーなどのウェブメディアにチェーンストア、テーマパーク、都市についての原稿を執筆している。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年4月5日]

商品内容

要旨

私たちの生活に欠かせないチェーンストアは都市を均質にし、街の歴史を壊すとして批判を受けてきた。だが、チェーンは本当に都市を壊したのだろうか。一九九七年生まれの若き「街歩き」ライターはその疑問を明らかにすべく、三十二期連続増収を続けるディスカウントストア、ドン・キホーテのフィールドワークを行った。そこから見えてきたのは、チェーンストアを中心にした現代日本の都市の姿と未来の可能性だ。ドンキの歴史や経営戦略を社会学や建築の視点から読み解く。

目次

序章 日本中がチェーンストア
第1章 なぜ過剰な外観は生まれるのか
第2章 都市のなかの「ジャングル」
第3章 チェーンストアは新たな地域共同体である
第4章 ドンキから見える日本のいま
終章 チェーンストアの想像力

出版社・メーカーコメント

【24歳の著者が挑む!日本の「いま」を切り取ったチェーンストア都市論】私たちの生活に欠かせないチェーンストアは都市を均質にし、街の歴史を壊すとして批判を受けてきた。だが、チェーンは本当に都市を壊したのだろうか。1997年生まれの若き「街歩き」ライターはその疑問を明らかにすべく、32期連続増収を続けるディスカウントストア、ドン・キホーテを巡った。そこから見えてきたのは、チェーンストアを中心にした現代日本の都市の姿と未来の可能性である。ドンキの歴史や経営戦略を社会学や建築の視点から読み解きながら、日本の「いま」を見据える。【推薦!】■石田英敬 氏(東京大学名誉教授)ドンキめぐりはクセになる、読み出したら止まらない、ドンペン探偵が読み解くチェーンストア記号論。■宮沢章夫 氏(作家・早稲田大学教授)まず「肯定する」という態度がここにはある。正直、ドンキが渋谷にできたとき、80年代の渋谷を知る者は苦い気持ちを味わった。世代的にそんなことなど関係ない著者はドンキを中心にロードサイドやショッピングモールを肯定する。そしてその「肯定」が、いま私たちを取り巻く資本の構造への、見事な批評になっている。【目次】序章:日本中がチェーンストアチェーンのイメージをときほぐす第一章:なぜ過剰な外観は生まれるのかレヴィ=ストロースが語るドンペン/なぜドンキの外観はさまざまなのか第二章:都市のなかの「ジャングル」「ジャングル」としての店舗構造/驚くほど似ているドンキとヴィレヴァン/コンビニとどう共存するか第三章:チェーンストアは新たな地域共同体であるヤンキーとDQNとドンキと/「呼び込み君」が私たちに伝えてくれているもの/地域共同体のなかに生まれる新しい共同体第四章:ドンキから見える日本のいまチェーンは歴史を壊すのか?/ドンキ的な資本主義のルートへ終章:チェーンストアの想像力チェーンが生み出す「ゆるやかな連帯感」/オンライン化する世界におけるチェーンストアの可能性

著者紹介

谷頭 和希 (タニガシラ カズキ)  
ライター。1997年生まれ。早稲田大学文化構想学部卒業後、早稲田大学教育学術院国語教育専攻に在籍。デイリーポータルZ、オモコロ、サンポーなどのウェブメディアにチェーンストア、テーマパーク、都市についての原稿を執筆。批評観光誌「LOCUST」編集部所属。2017年から18年に「ゲンロン 佐々木敦批評再生塾第三期」に参加し、宇川直宏賞を受賞。『ドンキにはなぜペンギンがいるのか』が初の著書(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)