なぜ豊岡は世界に注目されるのか
集英社新書 1170
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2023年6月 |
ISBNコード |
978-4-08-721270-9
(4-08-721270-X) |
税込価格 | 1,100円 |
頁数・縦 | 270P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 兵庫県北部、但馬地域の中心都市である「豊岡市」。人工飼育から野生に帰したコウノトリの生息地、インバウンドで賑わった城崎温泉、演劇やダンスなどパフォーミングアートの街であるなど、多くの観光資源を有する市だが、「小さな世界都市」の理念のもと、それらを体系づけた取り組みが行われ、成功している。本書では、2001年から2021年まで豊岡市長を5期務めた著者が、兵庫県議会議員時代を含めた豊岡市の「まちづくり」の経緯とその考え方を語る。人口減少、とくに若者、女性の流出が止まらない現状への対策として著者は豊岡の「目的地」を「小さな世界都市」に定め、その魅力を引き出すために(1)コウノトリの野生復帰、(2)受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐまちづくり、(3)深さをもった演劇のまちづくり、(4)ジェンダーギャップ解消の四つに取り組んでいった。著者は現在、一般社団法人豊岡アートアクション(TAA)理事長として、演劇を観光・教育・福祉などの分野に活かすことで豊岡のまちづくりに関わる。 |
出版社・メーカーコメント
兵庫県豊岡市は、市内にある城崎温泉が「ロンリープラネット」のベスト温泉タウンナンバー1に選ばれ、インバウンドが急増。豊岡演劇祭では1億3700万円の経済効果を達成。移住したい街ランキングでも上位に入り、近年、国内外から注目を集める。なぜそれが実現したのか。人口が減少し、産業も衰退する中で、地方が輝きを放つ方法とは? 前市長が全国の自治体にも応用可能な視点を示しながら、その秘策を綴る。【推薦コメント】小島慶子氏(エッセイスト)広まれ、豊岡モデル!「女、子どもは黙ってろ」で故郷が滅ぶと気づいた市長の本気のジェンダーギャップ解消作戦。胸熱です。子どもたちが、給食のお米をコウノトリ米にすることや震災の被災地にお米を送ることを思い立ち、真剣に大人に掛け合って実現するくだりでは涙が出ました。ここで子育てをしたいと思う人は多いのでは。内田樹氏(思想家・芸術文化観光専門職大学客員教授)コウノトリ、有機農業、演劇、ジェンダーギャップの解消…着眼点はどれもすばらしいのですが、何よりもそれらを貫くのが「深さをもったまちづくり」という哲学である点を僕は高く評価します。その土地の土着の文化と整合しなければ、どんな「正しい」政策も成果を得ることはできません。中貝さんは豊岡の土着の文化が何を求めているのかを皮膚感覚でとらえ、それを政策的に展開できた例外的な市長だったと思います。藻谷浩介氏(地域エコノミスト )突き抜けた文化、世界とつながる地下水脈、経済力ある女性と生活力ある男性。小さな世界都市・豊岡に、ワクワクが止まらない。巨大化する東京でガラパゴス化する日本と心中するか。小さな世界都市で、世界に通じる文化と暮らしを担うか。あなたはどっちだ? 【目次】序章 「小さな世界都市」の萌芽第1章 コウノトリ「も」住めるまちを創る第2章 受け継いできた大切なものを守り、育て、引き継ぐ第3章 深さをもった演劇のまちづくり第4章 ジェンダーギャップの解消終章 これからのことーー子どもたちへ