スーフィズムとは何か イスラーム神秘主義の修行道
集英社新書 1177
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2023年8月 |
ISBNコード |
978-4-08-721277-8
(4-08-721277-7) |
税込価格 | 1,144円 |
頁数・縦 | 222P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 「イスラーム」と聞くと、日本人にはなじみが薄いと感じる人も多いだろう。しかし、ムスリム(イスラーム教徒)は中東、南アジア、東南アジアに加え欧米でも増加を続けており、日本にも20万人超が暮らすと言われる。その精神文化や価値観を知ることは、混沌を深める世界の動向を理解するうえでも重要と言える。本書は、「イスラーム神秘主義」とも訳される「スーフィズム」の思想と実践について解説するとともに、日本文化との共通点や接点を探っている。イスラームの悟りを得るための特別な修行や思索を重ねる人々を「スーフィー」と呼び、その哲学や修行の総称を「スーフィズム」と言う。本書では、スーフィズムの精神文化と日本の少年マンガのキャラクターの成長物語に共通点を見出すほか、スーフィズムにおける「型」の考え方と茶道の作法にも似通う点を指摘する。著者はトルコの国立マルマラ大学大学院トルコ学研究科アジア言語・文化専攻助教。1989年岡山県生まれ。専門はスーフィズム、トルコ地域研究。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。同国イブン・ハルドゥーン大学文明対話研究科助教を経て現職。 |
商品内容
要旨 |
「イスラーム神秘主義」とも訳されるスーフィズム。それは今も神学、法学とならび伝統イスラームの一角をなす哲学や修行道の総称である。その究極目的は「イスラーム」を味わうこと。かつて井筒俊彦はスーフィズムの哲学的、神秘主義的な側面に光をあてた。だが、個人の精神的営みであると同時に、スーフィズムは日本の芸道や武士道、少年マンガで描かれる師弟関係にも通じる修行の世界であり、時にはオスマン帝国、トルコの政権をはじめとしたイスラーム世界を動かす政治思想運動でもある。本書はトルコで教鞭を執る著者が、思想、修行法から、食、武術、音楽をも射程におさめ、よく生きるための「実践の道」としてのスーフィズムを解説する。 |
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目次 |
イスラーム神秘主義とは何か? |
出版社・メーカーコメント
オスマン帝国、エルドアン政権… イスラーム世界を動かす求道的一大潮流! 日本の武士道や少年マンガの師弟関係にも通じる修行の世界 ◆内容説明◆ 「イスラーム神秘主義」とも訳されるスーフィズム。 それは今も神学、法学とならび伝統イスラームの一角をなす哲学や修行道の総称である。 その究極目的は「イスラーム」を味わうこと。 かつて井筒俊彦はスーフィズムの哲学的、神秘主義的な側面に光をあてた。 だが、個人の精神的営みであると同時に、スーフィズムは日本の芸道や武士道、少年マンガで描かれる師弟関係にも通じる修行の世界であり、時にはオスマン帝国、トルコの政権をはじめとしたイスラーム世界を動かす政治思想運動でもある。 本書はトルコで教鞭を執る著者が、思想、修行法から、食、武術、音楽をも射程におさめ、よく生きるための「実践の道」としてのスーフィズムを解説する。 ◆推薦◆ スーフィズムを著者はこう定義する。 「その中心的ストーリーは、 “人は弱く、間違いを犯す存在である。 しかし修行者は師の助けを通じて 人間の精神的完成をひたすら目指す中で、 人間を見捨てず絶えず導こうとしている アッラーの愛に気づく”ことである。」 その修行の体系はまさにわれわれが「道」というものに近い。 ー内田樹(思想家・武道家) ◆目次◆ 序章 イスラーム神秘主義とは何か? 第一章 学問としてのスーフィズム 第二章 師匠と弟子―スーフィズムの学びのネットワーク 第三章 西欧とスーフィー―中東を越えるスーフィズムのネットワーク 第四章 スーフィズムの修行(1)心の型 第五章 スーフィズムの修行(2)心を練り上げる祈祷 第六章 心の境地(1) 第七章 心の境地(2) 第八章 修行者の心構え―ナクシュバンディー教団「十一の言葉」 第九章 五功の心―神・自然・人をつなぐ修行 第十章 心を味わう―修行者の食卓 第十一章 武の心―スーフィーとマーシャル・アーツ 第十二章 心の詩、心の音色、詩と音楽 第十三章 人の心―絶望と希望