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戦争はいかに終結したか 二度の大戦からベトナム、イラクまで

中公新書 2652

出版社名 中央公論新社
出版年月 2021年7月
ISBNコード 978-4-12-102652-1
4-12-102652-7
税込価格 1,012円
頁数・縦 296P 18cm

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要旨

終わりの見えない軍事行動が続くウクライナ。どのようにして停戦は合意されるのか。それを考えるヒントが、これまでの国家間の戦争にあるのではないか。とくに複数の国家の利害が絡み合う近現代の戦争が「どう終わったのか」を知ることが、少しでも戦争や紛争を減らしていく上で重要なのではないだろうか。本書では、二度の世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争など、時代の節目にもなった20世紀以降の戦争に焦点を当て、その終結までのプロセスを精緻に分析。「紛争原因の根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、平和を回復するための「出口戦略」を考察している。戦争と平和の問題を探究する「国際政治学」の中で、「戦争終結論」はまだ量的にも少なく、発展途上の研究領域であり、とりわけ日本では、太平洋戦争に関する研究は多数なされているものの、理論的な研究はほとんど見当たらないのだという。著者は、防衛省防衛研究所主任研究官。博士(国際公共政策)。京都大学大学院法学研究科COE研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、防衛省防衛研究所教官、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付主査などを経て、2013年から現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年6月10日]

商品内容

文学賞情報

2022年 第43回 石橋湛山賞受賞

要旨

第二次世界大戦の悲劇を繰り返さない―戦争の抑止を追求してきた戦後日本。しかし先の戦争での日本の過ちは、終戦交渉をめぐる失敗にもあった。戦争はいかに収拾すべきなのか。二度の世界大戦から朝鮮戦争とベトナム戦争、さらに湾岸戦争やイラク戦争まで、二〇世紀以降の主要な戦争の終結過程を精緻に分析。「根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、真に平和を回復するための「出口戦略」を考える。

目次

序章 戦争終結への視角―「紛争原因の根本的解決」と「妥協的和平」のジレンマ
第1章 第一次世界大戦―「勝利なき平和」か、懲罰的和平か
第2章 第二次世界大戦“ヨーロッパ”―無条件降伏政策の貫徹
第3章 第二次世界大戦“アジア太平洋”―「幻想の外交」の悲劇
第4章 朝鮮戦争―「勝利にかわるもの」を求めて
第5章 ベトナム戦争―終幕をひかえた離脱
第6章 湾岸戦争・アフガニスタン戦争・イラク戦争―共存から打倒へ
終章 教訓と出口戦略―日本の安全保障への示唆

出版社・メーカーコメント

第二次世界大戦の悲劇を繰り返さない――戦争の抑止を追求してきた戦後日本。しかし先の戦争での日本の過ちは終戦政策の失敗にもあった。戦争はいかに収拾できるのだろうか。第一次世界大戦、第二次世界大戦から戦後の朝鮮戦争とベトナム戦争、さらに近年の湾岸戦争やイラク戦争まで20世紀以降の主要な戦争の終結過程を分析。「根本的解決と妥協的和平のジレンマ」を切り口に、あるべき出口戦略を考える。

著者紹介

千々和 泰明 (チジワ ヤスアキ)  
1978年生まれ。福岡県出身。2001年、広島大学法学部卒業。07年、大阪大学大学院国際公共政策研究科博士課程修了。博士(国際公共政策)。ジョージ・ワシントン大学アジア研究センター留学、京都大学大学院法学研究科COE研究員、日本学術振興会特別研究員(PD)、防衛省防衛研究所教官、内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)付主査などを経て、13年より防衛省防衛研究所主任研究官。この間、コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。国際安全保障学会最優秀新人論文賞受賞。国際安全保障学会理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)