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死を忘れた日本人 どこに「死に支え」を求めるか

出版社名 朝日出版社
出版年月 2010年5月
ISBNコード 978-4-255-00526-3
4-255-00526-5
税込価格 1,620円
頁数・縦 255P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 死は突然やってくる、そう思っている人は少なくありません。しかしそれは死の恐怖から目をそらしているだけなのかもしれません。しかし、日本人の死因に多いがんは、余命という言葉があるように時間が与えられます。その時間を希望と受け取るか、絶望と受け取るか。東大で多くのがん患者を看取ってきた筆者が、その経験から人が死ぬことに対してどうやって向き合えばいいのかを多角的に語った、現代人必読の一冊です。

    (2010年7月1日)

商品内容

要旨

伝統も宗教も失って、無力に死に直面する日本人に救いはあるか。どこに「死に支え」を求めるか、がん専門医が、2万人の治療に関わって考えたこと。

目次

序 「死に支え」がない国、日本
1 私たちのカラダは星のかけら―宇宙の誕生と死
2 絶対時間と私の時間―「永遠」と「一瞬の人生」
3 進化の中で、「死」が生まれた―もともと、寿命などなかった
4 大脳が生んだ宗教―死を飼い慣らすために
5 死のプロセス―多細胞生物の死
6 死の決定をめぐって
7 「がんによる死」の正体―がんの進化論
8 宗教なき時代の死の受容―何を怖がっているのか

出版社・メーカーコメント

『がんのひみつ』の著者が、「死を忘れた日本人」に向けて放つ第二弾。2 人に1人ががんになり、3人に1人ががんで亡くなる「世界一のがん大国、日本」。はたしてどれだけの人が、自らの末期(死)に思いをはせているでしょうか。病院死がほぼ100%となり、核家族化が進行した結果、家族の老いや衰弱を見守り、最期を看取る習慣もなくなりました。死が視野に入らないのです。「死を忘れた」奇っ怪な環境に生きるのが私たち日本人と言えそうです。その意味で、日本人は、宗教も伝統も失った現代世界の「死の恐怖のフロントランナー」なのです。著者は、がん専門医としての25 年の経験に立って、日本人に現代の「メメント・モリ」を呼びかけます。死を忘れ、死に無防備なままで、いざというときに、自らの死を受容できるでしょうか、と問いかけるのです。人気の「ピンピンコロリ」は望んでも得られません。かつての結核のように、「ゆるやかで、期限付きの死」が多くの人を待ち受けているからです。ある日突然、死の恐怖に直面し、うちひしがれながら初めて自らの死を思い、途方に暮れるのではなく、いまから「死の予習」をしておこう、という提言なのです。諺にもあるとおり、「幽霊の正体見たり枯れ尾花」ですから。

著者紹介

中川 恵一 (ナカガワ ケイイチ)  
東京大学医学部附属病院放射線科准教授、緩和ケア診療部長。1960年東京生まれ。1985年東京大学医学部医学科卒業、同年東京大学医学部放科卒業、室入局。1989年スイスPaul Sherrer Instituteに客員研究員として留学、1993年東京大学医学部放射線医学教室助手、1996年専任講師、2002年准教授。2003年東京大学医学部附属病院緩和ケア診療部長(兼任)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)