鞠子はすてきな役立たず
河出文庫 や17−8
出版社名 | 河出書房新社 |
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出版年月 | 2021年8月 |
ISBNコード |
978-4-309-41835-3
(4-309-41835-X) |
税込価格 | 924円 |
頁数・縦 | 237P 15cm |
書店レビュー
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- 長崎書店 (熊本県熊本市中央区)
仕事をして金を稼ぐことが正しい生き方だと信じてきた小太郎。彼が愛する鞠子という人は、働いていない上、非生産的な趣味に興じることに生きる喜びを感じている。自分とは真逆の価値観の持つ鞠子を見つめることで、小太郎は幼い頃から父親に教えられていた「働かざる者食うべからず」という言葉がはらむ傲慢さに気づく。
自分は社会にとって意味のある人間である、という自負、そして「意味のある人間でなければならない」という自縛は「働かない/働けない人間には生きる価値が無い」という思想に繋がりかねない。
そんな思想を表層化させた他者を責めるだけでいいのか?私の中にも無自覚な差別意識が潜んではいまいか?と、自分自身へ問いかけるきっかけをくれる物語です。(2021年8月15日)
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商品内容
要旨 |
「働かざるもの、食うべからず」と幼い頃から父親に言われてきた小太郎。経済的自立を目指し高卒で銀行員になった小太郎だが、院卒で書店アルバイトの鞠子は、結婚後は主婦を希望。絵手紙や家庭菜園など次々に趣味を楽しみ始める。人と比べず、自分の満足を大事にする鞠子。価値観の違う二人の生活の行方は!?『趣味で腹いっぱい』を改題。 |
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出版社・メーカーコメント
働かないものも、どんどん食べろーー「金を稼いでこそ、一人前」に縛られない自由な主婦・鞠子と銀行員・小太郎の生活の行方 は!? 金の時代の終わりを告げる傑作小説。『趣味で腹いっぱい』改題。