• 本

台湾文学の中心にあるもの

出版社名 イースト・プレス
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-7816-2415-0
4-7816-2415-4
税込価格 1,980円
頁数・縦 285P 19cm

商品内容

要旨

政治、そして多様性、台湾文学は今も社会を動かし続けている。

目次

第1章 同性婚法制化への道は文学から始まった(同性婚法制化への第一歩―『〓子』
文学だからゲイ(禁忌)の物語を社会に発信できた ほか)
第2章 女性国会議員が40%以上を占める国の文学の女性たち(衝撃のフェミニズム小説―『夫殺し』
私たち女性の台湾物語historyからherstoryへ―『迷いの園』「眷村の兄弟たちよ」 ほか)
第3章 文学は社会を動かし、その瞬間をアーカイブし続けてきた(台湾文学といえない時代の郷土文学―「さよなら・再見」、「りんごの味」
表現の自由がないからこそ文学として書き留める―「山道」 ほか)
第4章 日本統治期が台湾文学にもたらしたもの(なぜ台湾語の表記が確立できなかったのか
日本語教育を受けた作家たちは戦後の中国語社会をどう生きたのか ほか)
第5章 ダイバーシティな台湾文学の表記と翻訳の困難(台湾文学は何語で書かれているのか、戦後の中国語の作家と読者の量産計画と中国語では表現し得なかったもの
言文不一致の台湾の現実社会をそのまま書き表すことは可能なのか ほか)

出版社・メーカーコメント

政治、そして多様性、台湾では文学が現実に人と社会を動かし続けている。激動する歴史の中で、文学が社会を動かし、文学が人のパワーの根源となっている台湾。日本語で読める約50作品を紹介しながら、政治に翻弄されつつも、必死に格闘し、社会に介入してきた台湾文学を読み解き、その全貌を示す!・著者メッセージ 台湾文学の中心にあるものは政治である。斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス、2022年)は、私たち外国文学研究者に、自身の研究対象の文学の中心にあるものが何かという問いを突き付けた。「政治」、これが台湾文学研究者の現時点での私の答えだ。もちろん、文学は一様ではない。「〇〇文学の中心にあるのは××だ」と決めつけてしまうのは、傲慢である。恐らく、世界中の文学をすべて読んだ読者にしか言う資格はないだろう。何より、文学は、個人的なものであり、国家に紐づけされ存在しているものではない。だが、一方では、文学が国家に紐づけされることに、あるいはされないことに苦悩してきた文学もある。それが台湾文学だ。(「はじめに」より)